LAND COMFORT 加藤ブログ

ランドローバーを運転していると時間がゆっくり流れているように感じます。

ランドローバーを運転すること、ランドローバーのある生活、ランドローバーと過ごす時間、それらは全てとても心地良いこと。
「LAND COMFORT」とは、そんなことを考えながら出来上がった言葉です。

自動車が日本の道を走るためには多くの基準をクリアする必要がある。あれダメ、これダメ、多くのダメがあり、そのギリギリの範囲内で多くの自動車が設計される。
レンジローバーイヴォーク
これはレンジローバー・イヴォークのリヤホイールアーチ部分。後部に、泥除け?あるいは何か空力的な目的?というようなちょっとした突起がある。実際の役割は定かではないが、ただこれもきっと「基準をクリアするため」のものだろうと私は思ってきた。
この場合の基準は、タイヤの中心から前側30度、後側50度の扇形で囲まれる部分は、タイヤやホイールの回転部分は車体からはみ出すことなくフェンダー内に納まっていなければならない!というもの。回転部分が出っ張っていては危険ということだろうから十分に理解できる。
レンジローバー

ところが、これはあくまで日本の法律であって、輸入車の場合には全てのクルマの設計がこの基準をクリアしているとは限らない。時には、日本の法律のためにわざわざデザインが変更されているものもある。おそらくだが、レンジローバー・イヴォークのフィン状の突起もそのためだろう(と私は思っている)。同様のケースは他車でも見たことがある。
この基準が、先月緩和された。ホイールはダメ、あくまで「タイヤの一部なら」ということ。最近のタイヤは、ホイールのリムを傷から守るためにリムガードという出っ張りがあるものも増えている。そういうタイヤの出っ張りに限り、10mmの範囲内ではみ出してもOKになったのだ。
これまで、日本の基準対策のために、本来のデザインとは異なる突起を設けなければならなかったものも、もしかしたら小さくできるかも!あるいはうまく取り除くことができるようになって本来のデザインのまま日本上陸を果たせるようになるかもしれない。



レンジローバースターターモーター
これは1996年モデル2ndレンジローバーのスターターモーター。スターターモーターが故障してエンジンが掛からなくなり、レッカーでの入庫となった。
私がまだ国産車の整備に就いていたころ、スターターモーターが故障した場合にはオーバーホールという選択肢も十分にあった。しかし、1995年にランドローバーに携わるようになってからは、オーバーホールをした経験は・・・、ほとんどない。いや、本当に記憶がない。
実は最初の頃は、車両から取り外したスターターモーターを、まずは分解をした。しかし、やがて分解するまでもないことが分かった。
このスターターモーターを見て気が付くことは、なんとなくオイルでしっとりと濡れていること。この状態のスターターモーターを分解すると、それはもう修理が不可能であることは一目瞭然!なのである。今回も、それを紹介するために十何年かぶりに分解してみた。それがこちら。
レンジローバーセルモーター

原因は、タペットカバーからじわりじわりと滲み出たエンジンオイルが、長い年月をかけてスターターモーター内部へと入り込んで汚れと共に粘土状になってしまうこと。今回の場合には、その汚れがよほどの抵抗になったのだろう、樹脂製のリングギヤが完全にバラバラになってしまっていた。
内部の壊れ方は様々だが、この頃のレンジローバーやディスカバリーのスターターモーター故障のほとんどが、今回のようにオイルの侵入によるもの。
これを防ぐにはこまめにエンジンルーム内を点検し、必要に応じてタペットカバーガスケットを交換することになるのだが、明かなオイル漏れでないだけにそれを察知するのは非常に難しいことかもしれない。



クラシック・レンジローバー時代も2ndレンジローバー時代もそうだったが、ルーフヘッドライニング(天張り)の経年での垂れ下がりは定番だった。こんなところは世代を越えて受け継がれてほしくないものだが、レンジローバー・スポーツにも同様の現象が起きるようになってしまっている・・。
写真は2006年モデルのレンジローバー・スポーツ。ルーフヘッドライニングは、後部の隅のほうが中心なので目立たない部分ではあるが、もうひとつの問題はピラートリムも剥がれてくること。この車両の場合は見た目にはまだギリギリ貼り付いているが、実はもうほんの少し触るとペラリと捲れてしまうところまできている。このレンジローバー・スポーツは、普段は屋根付きガレージで保管されているのでそれらの進行は遅かったほうだと思う。それでももう10年が経っている。これが限界なのか?・・・
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レンジローバーインテリア

こうなってしまうと、方法は交換か張り替え。ケースバイケースでどちらの手法もアリだ。そして今回はその合わせ技をすることにした。ヘッドライニングは張り替え、ピラートリムは交換。それには目的があって、オーナーさまのご希望でどうせ手を施すなら色をチャコールに変更しようという作戦である。我々も初の試み。ヘッドライニングをチャコールにすることで、ピラートリムのみならず、サンバイザーやアシストグリップなどの小物の色も統一させる必要がある。現在はそれらのパーツを取りそろえているところ。順調にパーツが入荷すれば今週のどこかで作業に取り掛かれるかと考えている。
とりあえず、今日は「BEFORE」の紹介を。
レンジローバーヘッドライニンング



ここ数日、名古屋は急に湿度が上がって蒸し暑くなった。これまでの涼しさが異常だっただけで、これが名古屋にとっては普通ではあるが。それにしても暑い・・・。
こんなふうに湿度が高い日には、エアコンのドレンから驚くほどの水が地面に落ちることがある。ポトリポトリなんてものではなく、まさにホースから水が出ているようにドボドボと流れ落ち、見かたによってはエンジンのどこかに異常が発生して、何か"いけないもの"でも漏れているかのような、そんな様相である。実際に驚いて電話などで問い合わせをいただくことも少なくない。しかしオイル類とか冷却水とか、そういったものが地面に落ちればハッキリと染みがつくので分かりやすい。ドレンから落ちる水は、そうまさしくH2Oの水なのでキレイに蒸発する。地面についた染みを手で触ってもヌルヌルもネバネバもしない。もちろん臭いもない。そんなふうに判断できると思う。
そもそもこの水は、クーラーユニット内でキンキンに冷やされたエバポレーターに付いた水滴が流れ落ちるもの。除湿で出来ている証拠ともいえる。

これは冷蔵庫から取り出したペットボトルの冷えたお茶だが、ボトルにはこんなふうに水滴がつく。空気中の水蒸気が温度差で水になるのだが、これが滴り落ちてテーブルが水浸しになる原理は、まさにエアコンのドレンから流れ出る水と同じである。
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いよいよ本格的に蒸し暑い日が続くようになってきた。さすがにクーラー無しでは過ごせない。
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これは風を送るためのブロワファン(つまり扇風機のようなもの)の電源回路の基本形。モーターへの回路の途中にはスイッチとレジスターがある。スイッチはON-OFF、さらには1→2→3→4と風量調整のための接点がある。その先にはレジスター(抵抗)がある。風量が最も弱い1速の場合は、モーターをゆっくり回すために最も長い抵抗を通過する。2速→3速と進めば徐々に抵抗が短い位置へと移動していき、最大風速となる4速の位置では抵抗は通過しない。

トラブルの事例として実際にこういうことがある。最大風速の4速は効くが、それ以外では風が出ない。これはつまりレジスターが3と4の間で切断してしまっていることを示している。2と3の間で切れてしまった場合には3速と4速だけは作動するということになる。こういう傾向の症状が出れば、故障の原因はブロワレジスターである確率が高いといえる。
または、2速はだけ効かない。その他は正常。この場合は回路上その原因がレジスターであることは考えられなくなる。スイッチ内部の2速部分の接触不良など、ピンポイントでの不具合いが考えられる。

レジスターは、例えるなら白熱灯のフィラメントのようなもの。抵抗を持つということは大変な発熱をする。その発熱により、電球のフィラメントが切れるようにレジスターが断線することは、ある意味では宿命でもある。なので、実際に割りあい交換しやすい場所に取り付けられている。



最近ではクーラーの故障は少なくなったが、以前はこんなことが時々あった。
例えば、ある夏にガス漏れの原因となったクーラーホースの一本を交換した。秋が深まるまではそのまま快適に過ごせた。翌年夏になって再びクーラーを使おうと思ったが冷たい風が出てこない・・・。調べるとガス量が少ない。なぜ?去年も修理したのに!秋までは効いていたのに!そう思われるのは自然なこと。しかし現実には、クーラーを使うことのない冬の間でさえも別の箇所からガス漏れが進んでしまうことがあるのだ。
クーラーのフロン回路は、作動時、エキスパンションバルブを境に、高圧側はおよそ14bar(バール)、低圧側はおよそ2barが正常値とされる。特に高圧側は大気のおよそ14倍なので相当な圧力である。気密の弱い部分があればたちまちガス漏れへと発展してしまう。
さて冬場にクーラーを使わない場合だが、コンプレッサーが作動していないため、高圧・低圧の区間はなくなり、回路内は一律5〜6barとなる。これすら、つまり大気の5〜6倍の圧力が回路内のすべての箇所に掛かっていることになる。ホースやパイプのつなぎ目など、気密が弱ってきた部分があればフロンは外部に漏れ始めてしまうのである。
お客さまにはそのような説明をし、ご理解をいただくのだが、もったいないのはガス代。適切なパーツ交換をした後、再びガスを規定量まで充填しなくてはならない。そうかといって、昨年の時点で漏れの可能性のある全ての構成パーツを新品交換するかどうか、それも非現実的である。経験の中から限定的な数本のホースを選別して予防的に同時交換するなどしたものだが、予算も関係してくることだし、とても微妙な判断であった。
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休日の今日は、ちょっと昔話を。
20代のころ、AE86に乗っていた。ある日クーラーが効かなくなった。原因はコンプレッサーの焼き付きだった。
AE86もそうだが、多くのFR車の場合、エンジンのレイアウトの関係上コンプレッサーは前輪の車軸よりも前側、フロントオーバーハングの範囲内に配置される。前後オーバハング内の重量物はスポーツカーとしての運動性能を著しく低下させることは理屈上知っていた。だからミッドシップ(MR)が効率的なのだと。
それを踏まえたうえで、更に言えば修理費用が出せない現実とも真摯に向き合い、私は焼きついたコンプレッサーを取り外す決心をした。単体でも10kg前後はあるであろう重量物である。ラジエターと重なるように車体先端に配置されているコンデンサーや電動ファンや、細かなものではレシーバーやホースなど、エンジンルーム内のクーラーに関する全てのパーツを取り外した。プレステのグランツーリスモ風に言えば、軽量化チューン・ステージ1である。
その効果は?!暑さと引きかえに得られた歓びは十分にあった!特にコーナリング時の軽快な事といったら、冗談抜きで笑いが止まらなかったほど。しかし、真夏の暑さもハンパじゃなかった・・・。朝は気温が上がるまえに出社をし、帰りは会社で水を十分に掛けて洗車をしてボディーの温度を下げてから帰路につく、そんな生活をしたものだった。
楽しかった!懐かしいけど、あれから多くの快適さを知ってしまった現在ではもうそんなクルマは無理だなあ〜。
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一昨日のクーラー構成図をもう一度引っぱり出してもらい、その解説をしながら続きの話を。

その前にフロンについて。フロンという言葉はみなさんきっと聞いたことがあると思う。地球温暖化で問題になっているフロンである。クーラー回路には冷媒としてフロンが使われている。これは自動車に限らず、家庭用エアコンや冷蔵庫も同じである。冷媒には何故フロンが適しているか?という科学的な話は理解できていないのでご勘弁を・・・。とにかく、フロンを冷媒として使えばとても冷えるというとことから話をはじめさせていただこうと思う。

フロンの回路は循環しているのだが、ここではスタート地点をコンプレッサーとする。エンジンの回転をベルトで導くことでコンプレッサーは作動している。コンプレッサーで圧縮されたフロンは液体となる。できるだけ効率よく圧縮するためにコンデンサーで冷やしながらギリギリまで圧縮をする。圧縮された液体フロンがエキスパンションバルブで開放されることで気体となって一気に温度が下がる。それはエバポレーター内に噴射され、ラジエター形状のエバポレーターそのものを冷やす。ブロワファンによって導かれた空気を強烈に冷やされたエバポレーター導き、隙間を通すことで冷気を作り出すのである。役目を終えたフロンはコンプレッサーに戻り、再び圧縮されるという循環である。
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これはエバポレーターとブロワファン部分の拡大図。ブロワファンによって導かれる外気は、花粉や埃、虫などが入り込むことを防ぐための「ポーレンフィルター」を通過してくる。(ポーレンフィルターが存在しないクルマもあるが) 砂や埃の多い地域ではこのポーレンフィルターが詰まりやすい。フィルターが詰まれば、当然のことながら吹き出し口からの風は弱くなるり、クーラーの効きも悪くなる。使用環境によってフィルターの汚れ具合いは多きく異なるので、こればかりは適時点検をするしかない。



クーラーの構造は自動車も家庭用も基本的に同じ。冷蔵庫もそう。ところが、家庭用クーラーや冷蔵庫ではガス漏れの故障はほとんどない。私自身は経験したことはない。しかし、クルマでは決して珍しいことではない。最近でこそガス漏れは減ったが、ランドローバーではほんの十数年前までは夏の風物詩といえるほど頻繁に起きたものだった。
ではなぜ自動車用クーラーだけ漏れが発生するのか?原因は二つあると私は考えている。ひとつは、置かれている環境。クーラーの構成部品の多くはエンジンルームにある。エンジンルームの温度は、100℃前後にまで上がることがある。そもそもエンジンの冷却水が90度前後で推移しているので気温と比べものにならないほど高温なるのは当然である。そんな過酷な場所にクーラーの構成部品のいくつかは存在する。なので構成パーツの劣化が早まることもやむを得ない。また、走行によって付着するゴミや虫などが原因でパーツの腐食が進むこともある。
もうひとつの原因は、冷媒回路の一部にゴムホースが使われていること。コンプレッサーはエンジンに対して固定されている。しかし、その他の構成部品はシャシにある。エンジン始動中はエンジンはブルブルと震えている。その振動を吸収すべく、エンジンはラバー製のマウントを介してシャシに載せられている。つまり、コンプレッサーへ繋がる冷媒回路はフレキシブル性が必要なのである。そのために一定部分だけではあるが回路にゴムホースが使われている。そのゴムホースの硬化などによって気密が保たれなくなる部分が発生する。家庭用エアコンや冷蔵庫にはゴムホースは使われていない。銅や真鍮、アルミニウムなどの金属製のパイプが使われている。だから漏れる可能性のある場所が限りなくゼロなのである。
このことを理解すれば、自動車のクーラーに不具合はつきもの!と、思えるようになるのである。(笑) 
また、ゴムホースから自然に漏れるという説もある。子供の頃に遊んだゴム風船。膨らまして口をしっかり結んでも、やがては萎んでしまう。ゴムの組織の間から空気が徐々に抜けていってしまうのだ。これは故障ではなく、自然の摂理である。同様にクーラーガスも徐々にではあるが漏れていく可能性もある。私ぐらいの世代以上の方ならきっと経験があると思うが、昔は数年に一度はガスの補充の必要があった。ガソリンスタンドでも日常的にクーラーガス補充のサービスが行われていた。

クラシックレンジローバー時代は、ガス回路のほとんどが金属製パイプではなくホースで繋がれていた。最近のクルマではほとんどがパイプとなり、振動吸収のためのやむを得ない部分に限りフレキシブル性のあるホールが使われる。そのため、漏れのリスクは格段に減った。
レンジローバークーラー



私が自動車整備に携わるようになったのは1990年のこと。トヨタ車のディーラーに勤めていたのだが、当時のトヨタ車は車種によってはまだクーラーがオプション扱いだった。もっとも名古屋地区でクーラーを装着されないクルマは私はほとんど見ることはなかったが、きっと北海道など夏でもそれほど暑くない地域ではクーラーをオプション装着されないケースもあったのではないかと思う。まだそんな時代だった。
今日からしばらくはクーラーについてのお話を。クーラーの話はきっと長くなると思うので。

まず、「エアコン」の定義について。自動車に限ったことではないが、空調は大きくクーラーとヒーターに分けられる。名のごとく、冷やすためのシステムと温めるためのシステム。クーラーは単に冷やすだけではなく、除湿の効果もある。それらをうまく組み合わせると、除湿された温かい風を作り上げることもできる。それがエアコンだと私は理解している。あるいは、「今、クーラーが働いているのか、あるいはヒーターが働いているのか?」それはクルマ側にお任せして、ただ希望する適正温度や湿度の風を出してくれればよい!そんな合理的なシステムと考えてもよいだろう。最近ではオートエアコンが主流で、目標温度を設定することであとはクルマが勝手にやってくれる、エアコンとはすっかりそんなものになっている。
ただ、構造的には、内部は必ずクーラー部分とヒーター部分で構成されているのである。そして今回取り上げるのは季節柄「クーラー」についてである。

まず、(超)簡単にクーラーのシステムを表したものを見ていただこう。
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私が「クーラーの要」と考えるのは図の右上にあるエキスパンションバルブである。息を吐くとき、口を大きく開けて"は〜"とやれば体温に近い暖かい風となる。冬場に凍えた手に吹きかけるときはそうするだろう。逆に、涼しい風にするときは唇をすぼめて小さな口にして勢いよく"フ〜"と吹く。口を小さくすればするほど、また勢いよく吹くほど涼しい風になる。これがクーラーの原理であり、その役割を担っているのがエキスパンションバルブである。
あるいは、最近街中でも時々見かけるようになったが、ミストなんかも同じ原理である。あれはそもそも冷たい水を噴射しているのではなく、小さい口から噴射されることで水が解き放たれて霧状となって冷えているのである。

やはり、クーラーの話は長くなりそうだ・・・。続きはまた明日。





昨日起きてしまったこういう事故を、私も常々恐れていた。雨の日に対向車が跳ね上げる水しぶきが飛んでくるだけでも大変危険を感じる。対向車線からもの凄い勢いで飛んでくるものなど、とても避けられないだろう。それがまさか乗用車だなんて・・・。
並行して走る新旧東名高速道路だが、行先などやむを得ない事情があるならともかく、これまでも気分だけで旧東名高速道路を走ることはできるだけしないようにしてきた。今後は更に心掛けよう。



このゴールデンウィーク中、実家で探し物をした。もう何十年も空けたことのない押し入れや箪笥の中、ひょっとしてネズミでも出てくるかもと、ちょっとビクビクしながらも、どうしても探し出したいものがあった。何時間もの捜索の末それは見つかったのだが、それとは別に大きな収穫があった。
例の私が拾ったお金の定期預金に関するものと思われる封書だ。「定期預金ご継続のお願い」というもので、そこには支店名や口座番号、そしてまさに預けたであろう金額までが明記されていた。名義は私のものだった。
さっそく銀行に問い合わせ、窓口に出掛けた。口座名義本人であるので手続きはとてもスムーズ。私の名義だったのでとても助かった。そこであることが判明した。当時は銀行口座を作るのに生年月日の登録は必要なかったらしい。だから昨年夏に氏名と生年月日で検索してもらってもヒットしなかったのだ。ひとまずこれはこれで解決。休眠口座の復活と同時に解約という手続きをした。

さて、ここでもうひとつ謎解きのヒントがあった。昔は口座情報に生年月日が登録されていなかったことだ。普通預金を作った記憶が微かにあるという父の記憶とは裏腹に、昨年夏に窓口で検索してもらったが見つからなかったこと。つまり、生年月日が登録されていない父名義の口座が、実は休眠状態で残っているかもしれないのだ。

もともと農家の貧乏家庭である故に、仰天するほどのお宝はどこを探しても出てくるはずはない。引き上げてみて箱を開け、何が出てくるかはお楽しみ!そんな宝探しをしているようで、最近ではすっかり楽しんでいるのである。



小学生の私にとって十分に大金であったそのお金の存在だた、私はすっかり記憶から消されていた。それは、もう使ったものだと理解していたから。
ちょうどその頃、それまで乗っていた姉のお下がりの自転車がさすがに小さくなったので、新しい自転車を買ってもらうことになった。子供なりに、「ちょうど”あのお金”があるじゃないか!」と思っていたし、親にそうアピールした記憶もぼんやりとある。金額的もちょうど自転車が買えるぐらいだった。自分の中では自転車の購入資金に充てて、それで無くなったものと理解していた。だから、まさかそれがそのまま定期預金として残っているとは思ってもいなかった。

それはひとまず置いておいて、父の「定期預金満期通知中止のお知らせ」について。
銀行に電話で問い合わせた。通帳も証書も、印鑑もどれだか分からないが、とにかく定期預金の存在だけは確か。そんな状態では本人が必ず窓口に出向く必要があるとのこと。預金額は幾らなのか、当然のことながら電話では教えてくれない。数千円かもしれないし、びっくりするほどの大金かもしれない!いや、びっくりするほどのお金があればきっと父も覚えていると思う(笑)。きっと忘れてしまうほどの残高だろう。それでも、確かめてみなければ!みすみす放棄することもない。足腰がすっかり弱ってしまった父だけに外出するのはとても大変だが、これぞまさに宝探し!車椅子を押し、親子で銀行に出掛けたのであった。昨年の夏のことだった。
結果は予想通り、びっくりするほどの金額ではなかったが、これでちょっとだけ美味しいご馳走でも食べられるかなと思えるほどの小遣いが手元に戻ってきた。
そこでついでに訊ねてみた。まず、これが定期預金であったことから、通常の発想なら普通預金もあるのではないか?!と。父の氏名と生年月日で全支店の口座を検索してもらった。ところがこの定期預金以外には見当たらないと。父は、定期預金よりもむしろ普通預金を作った記憶ならある、とそんな風にも言っていた。しかし、無かった。更に、例の私が拾ったお金を預けた定期預金についても、私の名前でも検索してもらったが見つからなかった。父は、「東海(銀行)じゃなかったか・・・、あとあの辺にどこの銀行があったかなあ・・・。もう分からん・・・」と。当時父が務めていた会社は繁華街にあったので、周辺には銀行はいくつもある。また、合併や統合などでその形を変えており、残された方法はしらみつぶしに当たるしかない。しかも、口座が私の名前なら一日かけてでも順に銀行を回ることもできるが、父名義だとすると車椅子の父を連れては事実上不可能。二人で、「もう諦めるか・・・」と納得したのであった。

またまた長くなってしまったので、続きは明日に。



昨年の夏ごろのことだった。年老いた父が、「そうえいば!」とこんなことを話し始めた。
もう四十数年前のこと、私が小学校3〜4年のことだったと思う。通学途中で道端で財布を拾った。帰宅後、祖母と一緒に近くの交番にでかけ、届けた。落とし主は現れず、半年後にその拾得物をもらうことになった。小学生には十分に大金であったそのお金を、私は父に預けた。父は当時名古屋市内の会社に勤めており、その近くの銀行でそっくりそのまま定期預金に預けたのであった。私はそれを聞かされていなかったのだが。
その出来事を、昨年の夏に父が思い出したのだが、通帳も印鑑もどこにあるのやら全く記憶がないらしい・・・。おまけに、どこの銀行かも定かではない。「会社の近くの、たぶん『東海(銀行)』だったと思うけどなあ・・・」と。(※東海銀行→現在の三菱東京UFJ銀行)

何故、昨年の夏に父がそれを思い出したか、それには伏線があった。その少し前、自宅に父宛てに三菱東京UFJ銀行のとある支店からからこんなような封書が届いた。「定期預金満期通知中止のお知らせ」。つまり、今後は定期預金が満期になってもお知らせしませんよ、という内容の文書であった。それを父に伝えたのだが、父はその支店に定期預金があることを知らなかった。というか忘れていたのだろう。「それはともかく、お前が小学生のころに拾ったあのお金の預金が、当時の会社の近くの銀行にあるはずだ!」と記憶が連鎖し始めたのだった。


長くなりそうなので、続きはまた明日。



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久しぶりの登場のアビイロード号、走行距離は5万キロを少し越えたぐらい。突如インストルメントパネル内に大きな警告マークが出た。「ジュウデンイジョウ(充電異常)」。そしてチャージランプ(バッテリーマーク)も点灯。これは、充電量が消費量に追いついていないことのしるし。このままではバッテリーが消耗してやがては走行不能になる可能性がある、という意味の警告である。
さっそく点検。やはりオルタネーター(発電機)が正常に機能していないようだ。エンジンルームを覗くと、オルタネーターはインテークマニホールドの下のほうの、とても狭いスペースに収まっている。交換作業も決して簡単とはいえないようだ・・・。
まずは部品の手配から始めよう。



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