自動車にかかる自動車税の話。
平成18年4月から自動車税のしくみが変わる。一言でいえば簡単になる。しかし、施行までに疑問が解決するかどうか不安な部分がある。

(軽自動車は別にして)普通車以上の場合、現在の仕組みは月単位で支払う考え方だ。
例えば、今月東京のAさんから愛知県のBさんにレンジローバー4.6HSEが売買されたとしよう。Aさんは平成17年の5月に送付されてきた自動車税の納付書をもって郵便局へ行き、平成17年度1年分の税金(88,000円)を納めた。12月になって知人のBさんに自動車を売り、Bさんは愛知県で登録した。登録時にBさんは翌月(1月)から年度末までの3ヶ月分の自動車税(21,900円)を愛知県税に支払った。
一方で、1年分を支払ったAさんの元には、レンジローバーが東京から出て行ったあとの3ヶ月分の税金が東京都税から還付される。
仮に、そのレンジローバーが18年2月に車検が到来したとする。車検時には納税証明書が必要だ。現在のしくみでは、愛知県税に払ったことが証明されれば証明書を発行してくれるので、それでBさんは車検は受けられる。つまり、Aさんが東京で支払ったかどうかは関係なく、Bさんが愛知県税に支払った3ヶ月分が明らかになればいいのだ。

さて、来年4月以降の話。前述のように年度の途中で県をまたいで名義変更されても月で割って納付したり返還されたりすることがなくなるのだ。5月に1年分の自動車税を東京都税に納付した場合、その後愛知県に転入してきたといっても税金に関してはノータッチ。翌3月まではそのまま愛知県税に支払うことなく登録できる。確かにこの部分の事務処理は簡単になる。
では、同様に同じ年度内に車検が到来した場合、車検時には東京都で支払われているはずの納税証明書を東京都税に発行してもらわないといけないことになる。Bさんはレンジローバーを譲り受けたときにうっかり証明書をもらうのを忘れていた。そして車検が到来し、車検工場へ持レンジローバーをち込んでビックリ!!!それがないと車検が受けられない…。遠隔地からの証明書の取り寄せはスムーズに行くのだろうか?AさんとBさんが友人で『ちょっと送ってよ!』で通じる場合は問題ない。
仮にAさんがBさんにレンジローバーを売却した直後に海外赴任してしまっていたりしたらBさんは誰に頼んで東京都税の納税証明を取り寄せることになるのだろう?
更にいうと、海外に行ってしまったAさんが実は自動車税を納め忘れていたら…。

また別の例。
愛知県のCさんは18年4月に新車のレンジローバーを買った。新規登録車はこれまで同様月割りの分納だから5月以降の11ヶ月分の税金を諸費用とともに支払った。それまで乗っていたディスカバリーを下取りにださずに知人の紹介で北海道のDさんに個人売買した。北海道のDさんは車両代金を現金で支払いすぐに名義変更をしてディスカバリーに乗り始めた。5月になるとCさんの元にディスカバリーの納付書が郵送されてきた。これって誰が払うべき?まあいいか!なんて呑気に構えていた。
一方で、Dさんは乗り始めて2ヶ月たった6月になって事情によりディスカバリーを福岡のEさんに転売していた。12月に車検が到来してEさんが車検工場へ持っていったら『このクルマ、自動車税が払われていないぞ!』ってことが発覚した。年度始めの4月1日のユーザーであったCさんに支払い義務があるのだろうが、CさんとEさんは赤の他人!連絡を取り合って税金の話ができるとは考えにくい。そして中間のDさんは既に連絡がとれない。
福岡のEさんは車検を受けるために愛知県税に1年分の自動車税を納めて納税証明を取得しなければならないのか?!しかも延滞金まで請求されたら目も当てられない…。

ん〜〜〜!頭から煙が出そうだ…。

今の時点で私の元に届いている情報はこんなところだ。
過去にも、重量税の導入、消費税の導入に伴う物品税の廃止、消費税額の変更など、自動車を取り巻く多額の税金問題に我々自動車業者もユーザーも対処してきたわけだから、始まってしまえばなんとかなってしまうのかもしれないが…。