ほとんどの球技はいわば騙し合いのスポーツだ。サッカーやラグビー、バスケットなどでもフェイントという抜きでは成り立たない!右に行くと見せかけて左に行く!進むと思わせて止まる!
野球も例外ではない。ストレートと思わせてフォークボールを投げる。速球を投げるフォームでチェンジアップを投げる。つまり、相手の思惑をことごとく外すことが成功につながる。
バッターは騙されまいとあらゆる可能性のなかからバッテリーの心中を探る。想像した通りのボールが来たときは確実にヒットの確立が増える。
球技とは、野球とは元来こういうスポーツだ!

以前、ある有名な元捕手のこんな話を聞いたことがある。
『長嶋さんがバッターボックスに入った。一球目、ストレートを内角に外した。反応がない!変化球待ちか?!二球目、カーブを外角に外した。反応がない…。この人は何を待っているのか?!あるいは狙い球に迷いがあるのか?!三球目、ストライクになるカーブを投げた。バッ!っと鋭いスウィングをしたと思ったら打球はあっと言う間に内野手の間を抜けてヒットになった。あの人、何にも待っちゃいないんだ!ただいい球を待っていただけなんだ!』
打者長嶋には騙したも騙されたもないのだそうだ。ただ、これだと思った球を弾き返すのみなのだそうだ!相手バッテリーが自分を打たせまいとあれこれ裏をかぎ、そのまた裏を探って狙い球を絞るような打者ではないと。

長嶋さんの野球観や技術は明らかに別の名選手とはちがうところにあるように私には見える。その野球観は決してイレギュラーなものでなく、他のプレーヤーが目指そうにも目指せない別の次元にあるように感じる。
誰が言い始めたか分からないがミスターとは良くいったものだ!私の中でもミスターはミスター!
『好球必打』指導者になってからの長嶋さんからの口からも良く聞いた言葉だ。相手がどんな球を投げてくるか?!ではなく、ただ投げられた球が打つに相応しい球かどうか?!なのだろう。

<長嶋茂雄さん>野球会議委員長が北京五輪監督要請の意向というニュースを読んで是非実現してほしいと思った。