1996年6月16日。レイブリックの全てが始まった日だ。前日の6月15日付けでそれまで勤めていたディーラーを退職した。10年前の今日、独立という力強い何かにたたき起こされて目を覚ました記憶がある。

さっそく不動産屋をめぐった。貸倉庫物件の情報を集めては現地を駆け回った。何十件も回るなかである良い物件を見つけた。いざ契約に行くと問題が発覚、それまでの借主が倉庫内をかなり改造し家財を残したまま消息を絶ったらしい。(つまり夜逃げ?)本来なら倉庫の中はがらんどうのはずなのにどうやら構築物が居座っているとのこと。現状復帰にはかなりのコストが掛かるようだが、『早く入居したいならその費用はオタクが負担してください!』と理不尽な対応。そんな不可解な経緯を持った物件は気持ち悪くて借りられません!
さて、困った…。倉庫探しが私の仕事ではない!早く物件を見つけてそこで事業をスタートさせなければ!今までチェックしてきた物件の中で真っ先に思い浮かんだのは、初めての不動産屋で初めて紹介された裏通りの小さな倉庫だった。数ヶ月間空き家だったのか初夏の陽気で周辺の雑草も背丈ほどまで伸び、かなりさびれた印象があった。それなのになぜかトランプのババ抜きのババのように取り上げて欲しくてちょっとだけ飛び出ているように感じた。もう一度そこへ行くと、汚れたスレートや錆びた鉄骨をリフレッシュしてやればなんとかなりそうな気がしてきた。悠長に新たな物件が出るのを待つ時間もないし、ココでなんとかしよう!その場で携帯電話を取り出し不動産屋へ連絡して目の前の物件を押さえた。
ババ抜きのババという例えが悪いが、引いてみたババは決して疫病神ではなかったのはこの10年が証明してくれている。ここがつまり現在の社屋なのだ。