サイドブレーキが解除できなくなったディスカバリー2が入庫した。過去の事例ではトランスファ(センターデファレンシャル)のアウトプットシャフトからのオイル漏れが原因でサイドブレーキドラムとブレーキライニングが貼り付いてしまうことがあった。今回もまずそれを疑った。その場合、クルマの下に潜ってハンマーでブレーキドラムを叩いてやるとショックで外れるものだが、今回は解除できない。
landrover_805a調べてみるとサイドブレーキのケーブルの樹脂製の皮革が熱で溶けてケーブルが固着して動かなくなっていた。やむを得ず切り裂いてサイドブレーキを解除した。サイドブレーキケーブルを新品に交換してエンジンを始動した直後に些細な異常に気が付いた。まだエンジンを始動して間もないのにケーブルが異常に熱い!マフラーからも遠いし、トランスファーからの熱も発生していない。

ナント、熱の原因は電流だった!サイドブレーキのケーブルにかなり強い電流が流れているのだ。なぜ、電流が流れているのか?それを解決しなければ再びサイドブレーキケーブルは解けて固着してしまう。
車両の区間区間で電流値と導通を調べていったところエンジンからバッテリーへ戻るアースケーブルがしっかり留まっていないことが分かった。本来ならスパークプラグへ供給された電流はエンジンのシリンダーヘッドからアースされる。

シリンダーヘッド ⇒ シリンダーブロック ⇒ オルタネータ・ブラケット ⇒ アースケーブル ⇒ バッテリーマイナス端子

本来のアース回路が確保されなくなって帰り道を見失った電流たちは一生懸命バッテリーのマイナス端子に帰るルートを探した。そこで見つかったのがサイドブレーキのケーブルだったのだ!

シリンダーヘッド ⇒ シリンダーブロック ⇒ トランスミッション ⇒ トランスファ ⇒ サイドブレーキケーブルボディ ⇒ アースケーブル ⇒ バッテリーマイナス端子

しかし、サイドブレーキのケーブルにはエンジン点火システムの大電流を通すだけの容量はない。そして発熱したというわけだ。必然的にスパークプラグで点火される火花も弱かったはず。これで全て解決だ!あらためてアースの大切さを知らされた一件だった。