99f04c19.JPGおととい、『燃焼の三要素』の話をしたばかりだが、タイミングが悪く圧縮に関するトラブルに見舞われた2ndレンジローバーが入庫した。2ndレンジローバーでは1995〜1996年頃、シリンダーヘッドの取り付けボルトの締め付けトルクが不適切で、ヘッドガスケットから圧縮が漏れるという初期トラブルが起こるケースがあった。メーカーはすぐに改善対策を発表し、ヘッドボルトをそれまでより強く締めるために販売された全てのレンジローバーをサービス工場に誘致した。それ以来、ヘッドガスケット抜けの話はほとんど聞かなくなっていた。
今回入庫の2ndレンジローバーは、小さな音だが『シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!』という蒸気機関車ような音をさせていた。オーナーいわく、アイドリングから少し吹かしたあたりで息つきのような症状も出ているとか。『チッ!チッ!チッ!チッ!』というタペットを打つ音にも聞こえた。サウンドスコープという聴診器のような道具を利用して音源を探っていったところ、Vバンクの間から音が大きく聞こえた。その音はやはり『シュッ!シュッ!』といった音。圧縮混合気がVバンクの内側に向けて漏れていた。
裏付けをとるために圧縮値を測定した。圧縮はコンプレッションゲージという測定器を用いて行う。スパークプラグを抜き、そこにゲージを当ててクランクングする。スパークプラグを抜いた時点で5番シリンダーにくすぶりが確認できた。怪しい。順番に圧縮を点検していくと、やはり5番だけ著しく数値が低かった。残念な結果だがいわゆるガスケット抜けという圧縮漏れの代表的なトラブルだった。
修理の工程としては、まずシリンダーヘッドを降ろしてシリンダーヘッドの歪みをチェックする。歪みが少なければシリンダーヘッドガスケットの交換のみ。歪みが大きければ面研(メンケン)といって、シリンダーヘッドの平面を出すように研磨する。いずれにしても入院は避けられなかった。