私が自動車業界に入る前(といっても大学を卒業してスグに国産自動車メーカーのディーラーに入社したので、つまり学生時代までさかのぼることになる…)、オイル交換は自宅の庭先で行っていた。自分自身でメンテナンスを行う喜びは確かにあったが、それよりなによりお金がなかった。ある友人は、近所のオートバックスで行っていた。確か、年会費500円でオイル交換会員になることでピットで行ってくれる交換作業の工賃が無料となるサービスだった。私は、その500円でさえ惜しいと思っていた。もちろん、ディスカウントショップなどでは、更に安い価格でオイルが売られていたので、年間のオイル交換コストの差は当然500円以上になったのだ。その浮いたお金でドレンボルトを脱着するためのレンチや、フィルターの専用工具などを買った。そんなことを繰り返すうちにオイル交換のみならず、自分でできるメンテナンスを行うようになり、僅かながらではあったが知識と工具が徐々に増えていった。
現在のようにインターネットを通じて情報が収集できる時代ではない。私のクルマイジリの教本は一般的に書店で売られている「オートメカニック」という月刊誌だった。その他は、クルマの取扱説明書に書かれていることが全て。学生時代、私が乗っていたのはトヨタの小型乗用車。エンジンオイルは4リッター缶を買ってくれば少し余るほどだった。確か3.5リッターほどだったと思うが、その量が当時の取扱説明書に書かれていたのか?あるいは、数度の実践で経験を積んで分かったのか、そのあたりは全く記憶がなくなっている。

1b28690b.JPG写真はフリーランダー2の取扱説明書だ。このように油脂類などの容量も記されている。ちなみに、エンジンオイルの量は7.7リットル。レベルゲージの指示値まで表現されている。プロとなった現在でも、初めて行うクルマのデータはこうして取扱説明書を頼りにすることが多いのだ。