10日ほど前、あるお客さまからの電話をとった。
『加藤さん、ジェフ・ベックに行きませんか?!』もちろん、ライブだ。突然の誘いにとっさに返事ができずにいると『行きましょうよ!ジェフ・ベック!』と。
実は、ジェフ・ベックの来日はずい分前からチェックしていた。というか、正直に言うと「ジェフ・ベック&エリック・クラプトン」をチェックしていた。
今回の来日ツアーで、唯一埼玉公演だけをエリック・クラプトンとのジョイントでライブを行うのだ!観にいきたいところだが、公演は週末の日程。名古屋ならともかく、週末に仕事を休んで埼玉まで出かけるのは事実上不可能。諦めだ・・・。その後、ジェフ・ベックの単独ライブのことは意識から離れていた。
『行きましょうよ!』とのお誘いはとても嬉しいが、「もしかして、埼玉?」と思った。もっとも、電話をとってからここまではほんの数秒の出来事。しかし、頭のなかで既にいろいろ考えていた。そしてようやく『ライブはいつですか?』という言葉が出た。『2月12日木曜日、愛知県芸術劇場ですよ!』と。ああ、埼玉じゃなかったんだ。もっとも、埼玉だったらお断りしなければいけないところだが、幸い会場はレイブリックからも近い場所。『それなら、仕事をちょっとだけ早めに終われば大丈夫なので是非ご一緒させてください!』と即座に返事をしたというわけだ。

laybrick_kato_blog_0212さて、19時の閉店はスタッフに任せ、私は名古屋市中心部にある愛知県芸術劇場へと向った。この会場はオペラやミュージカルなどの演劇や、クラシックコンサートなどを開催するために造られたもの。私自身、この会場に入るのは今回で2度目。おそらく15年ぶり。しかも、前回は特に芸術に深く関わる催しではなかった。いかに普段から芸術に関わらずに生活をしているのかの証明をされているようだ・・・。
とにかく、この会場でジェフ・ベックを聴けることが嬉しい。

ライブの内容はネタバレになるので要注意。多くは語れないが、印象に残った一曲だけを紹介しよう。それは、ビートルズの「A Day in the Life」のカバーだ。もちろん歌詞はなく、ジェフベックの囀るようなギターが旋律を刻む。ジェフ・ベックのギターのメロディーは格別だが、完全に「A Day in the Life」を自分のものにしているようにも感じられない。どこかからジョン・レノンの声が聞こえてきそうでもあり、しかしギターが歌声を発しているようにも感じる。あえていうならジェフ・ベックが歌っているようだった。
個人的に、この曲の中で極端に好きな「一瞬」ある。ジェフ・ベックが「叫ぶ」瞬間だ。正確にはジェフ・ベックが声で叫んでいるわけではなく、ギターの音が叫んでいる。「何故ココが?」と思う人もいるだろうが、「ああ、なるほど、ココね!」と感じる人もきっといるだろう。Youtubeの動画を拝借して「A Day in the Life」を。この動画の33秒地点の「叫び」に注目!
この「叫び」が、私にとってのジェフ・ベックの魅力といっても過言ではない。

誘っていただかなければ、自分ひとりでは観にいかなかっただろう。私はいつもいつも、このようにしてあらゆるお客さまとの繋がりで貴重な体験をさせていただいている。今日も素敵な夜をありがとうございました。