ce74a442.JPG雨の季節、擦り減ったタイヤはとても危険だ。なんだか、タイヤメーカーのCMのような文句だが、この写真を見れば「うん、確かに!」と思っていただけるだろう。片減りしているわけではなく、全体がキレイに磨り減っている。ほとんどスリックタイヤ状態だ。実際に濡れた路面でブレーキを強めに踏めば簡単にスリップするだろう。
実は、私自身タイヤの状態にはとても神経質になっている。18歳で免許をとって初めての冬のこと、降り続いていた雨は深夜にミゾレに変わっていた。アルバイトを終えてクルマで自宅へ帰る途中のこと。速度はとくに慎重になっているほどでもなく、普通の雨降りの感覚だったと思う。まあ、若さゆえといったところだ。
直線から緩い右カーブに差し掛かったところでフッとハンドルが軽くなったように感じた。初めて感じる微妙な違和感だったが、そのことに関して深く考える間もなくクルマは運転操作とは違う挙動を始めていた。リヤが遠心力で振られるように徐々に滑り始めた。本能的にハンドルを左へ切りカウンターステアを当てていたが、その頃にはクルマは完全に氷の上を滑っているようだった。クルマは速度を全く緩めないまま横を向き始めた。路肩には電信柱や道路標識が見える。クルマは更に回転し、ほぼ前後が入れ替わるようになった頃、ついに路肩にはみ出しはじめた。私は反射的に身構えた。次の瞬間、「ドンッ!」と鈍い音がし、衝撃とともに後ろを向いていたクルマは前後が反転し、再び道路上を普通に進行方向を向いて滑っていた。というか、普通に走っていた。速度のわりには衝撃は意外なほど鈍かったように感じた。
しばらく走ると高速道路の高架があったので、その下でクルマを停めた。クルマを降りて恐る々々後ろに回ってみた。するとリヤバンパーのど真ん中が「くの字」に折れ曲がっていた。そして、その凹み部分には木片がめり込んでいた。どうやらぶつかったのは街路樹の添え木だったようだ。これは幸運以外のなにものでもない。電信柱や道路標識だったらこんな程度では済まなかっただろう。私の首や背中にもダメージを負っていたかもしれない。路肩に並ぶ障害物のなかでもっとも衝撃を和らげてくれるものにぶつかってくれたようだ。
学生の身分にはバンパー交換代金は痛手ではあったが、この結果は不幸中の幸いであったことは間違いない。それ以来、ハイドロプレーニング現象には敏感になり、濡れた路面には過剰なほど恐怖心が伴なうようになったというわけだ。もっとも、この時、スタッドレスタイヤ(当時はスノータイヤが主流だったが・・・)など履いておらず、擦り減ったラジアルタイヤだったのだ。
タイヤの点検交換はお早めに!