下回りの「増し締め」、ランドローバーに限らず、これはメンテナンスの基本項目だ。しかし、正直なところ、私がこれまで整備で経験してきたクルマで、これほどまでに「締まる」下回りのボルトを経験したのはランドローバーだけだ。国産車の整備に携わっていたころ、点検での増し締めはほとんどパフォーマンスだった。レンチを当ててみても特に緩んでいる場所が見つかることはなかった。仮にあったとすればすぐにリコールや改善対策が行われ、規定トルクでの締め付け指令が発表されたものだ。
1995年、私がランドローバーの整備に従事するようになり、特に驚いたことはまさにこの部分だった。リフトで持ち上げ、下回りのボルトやナットにメガネレンチを当てると、ほどんどがグイグイ締まるのだ。そして、その結果、高速安定性やハンドリング性能が向上するのだ。新車を納車する前に行う整備では両手にメガネレンチを持って、片っ端からネジを締めこんだものだ。

9452c51e.JPG今日、ご来店していただいた2ndレンジローバーのユーザーさんが「ココの締め付けを見ておいてほしい」と。どうやら、気がついたらボルトが緩んで抜けてしまっていたらしく、とりあえずご自身で締め付けられたそうだが、念のために増し締めをしておいてほしいとのこと。その場所はフロントショックアブソーバーの上部取り付け部分。増し締めと言えば下回りに意識が集中していたので、確かにこの部分は盲点だった。新車装着のショックアブソーンバーのままの車両なので、およそ10年かけて徐々に緩んできたのだろう。
この左側のボルトをしっかり締めこんで、念のために右側も見てみると、案の定かなり締めることができた
もちろん、レイブリックでは今後チェックの項目にリストアップされる。2ndレンジローバーにお乗りの読者のみなさんも、一度点検しておくとよいだろう。ちなみにボルトサイズは18mm。