e41509fbリヤの車高が下がったこの2ndレンジローバーは1996年モデル。限定150台で発売されたオートバイオグラフィーだ。ボディーカラーはウィロー・グリーンと、このブリティッシュレーシング・グリーンの2色だった。その配分は公表されなかったが、ウィロー・グリーンのほうが良くお目にかかる気がする。80:70か、あるいは100:50ぐらいかも。2ndレンジローバーでは初めて同色バンパーが採用されたモデルで、とても興味があったが、もちろん私など手が届くクルマではなかった。
さて、タイトル通り「初期ロッド」の話を。1995年にデビューをした2ndレンジローバーの初期ロッドは、それはもう大変なクルマだった。当時、私はディーラーでメカニック兼フロントマンを務めていたのだが、大変だったのは我々ではなくやはりお客さま。納車後、まもなく修理のために工場に入ると、それが長引き、あるいは更に繰り返し入庫を強いられる。「代車に乗っているほうが長いじゃないか!」と、お叱りを受けることもあれば、「モデルチェンジをしてもやっぱりレンジローバーらしい」と妙に納得されるユーザーさんもいた。
そんな状態は1996年モデルでも続いた。この頃までが、いわゆる「初期ロッド」と呼ばれるのだと私は認識している。ちょうどその頃、私はディーラーを辞めたのだが。
その後、1997年モデルでトラブルはほんの僅かだが落ち着いた。しかし、何年もすると、今度は1997年や1998年モデルでは別の傾向のトラブルが始まった。

さて、この現象を整理すると、初期ロッドでは確かに未完成な部分が多く含まれており、それが数年間かけて対策されていった。それとともに、開発段階で安全マージが取られていた部分のコストダウンが進み、それが行き過ぎると逆にトラブル発生の原因になるのだ。
CA392323これは先のオートバイオグラフィーから取り外したエアスプリング。ご覧のようにかなり劣化している。製造記号は96−16、96年の16週目に作られた部品で新車当時のものであることが分かる。つまり13年以上経過したパーツなのだ。確かに、このクルマの走行距離は未だ6万キロ弱と大変少ない。とはいえ、2ndレンジローバーのユーザーさん、あるいは勉強されている読者さんなら分かっていただけると思うが、エアスプリングが13年ももったことは脅威的ともいえる。風船となるゴム部分はこんなにボロボロになっているのにも関わらず、最近まで元気に稼動し続けていたのだ。つまり、これがコストダウンの前の優秀パーツの一例。ベローズ(ゴム部分)を支えているロワサポートがアルミダイキャスト製なのが写真で分かると思うが、これが初期ロッドの証し。あくる年からはココが黒い樹脂製に変わったのだ。

初期ロッドゆえに脆弱だった部分もあれば、このように頑丈だった部分もある。