CA392565お客さまからのお誘いでJAZZを聴きに出かけてきた。私自身、初の生演奏ジャズ。場所は名古屋市内のとあるJAZZ BAR。ジャズに詳しくない私だから知らなかっただけで、名古屋でも有名なお店だそうだ。
こんな状態なので、ジャズに詳しい読者さんには、いさささか的外れな記事になるであろうことはどうかご容赦願いたい。


店内に入り、自然と導かれた場所はお店の一番奥の席だった。しかし、これが幸運の始まりだった。ステージとは呼べないほどの狭いスペースだが、一番奥がステージとなっていたのだ。つまり最前列!
今夜のジャズは、女性のベーシスト、男性のギター、そして男性ボーカルのトリオ。楽器には興味があるが、ボーカルってどうだろう・・。そんな先入観を抱いて臨んだのだが、これが良い意味で完全に裏切られた。休憩を挟んで2時間のステージでは、その素敵な歌声に完全に魅了された。


さて、最前列の恩恵の話をしよう。きっと有名な曲を何曲か演奏されたのだろうが、私にとっては全て新曲のようなもの。だからといって、つまらないと感じる曲はただの一曲もなかった。例えば、曲を始める前に、ボーカリストがその曲の紹介をし、「それでは、聴いてください。」と挨拶したあとで、後ろのメンバーに小声で指示をするのだ。
「ベースのイントロから入ろうか!」。すると、ベーシストは一瞬の間をおいて、「よし、イメージが沸いた!」と、言わんばかりに顔つきが凛とし、そしてイントロに入る。
また、ある曲では、「今日はまだワルツをやってないから、ハチロク(6/8)で行こうか!」。すると、ワルツのリズムでテンポよくギターのイントロが始まる。
「8小節までは、スローで!」とか、「バラッドで!」とか。直感なのか、場の空気によるものなのか、とにかくアメリカンフットボールのクォーターバックの指示のごとく、一瞬で曲の方向性が決まってしまう。

そして、驚くことに、ボーカリストとギタリストは初対面だとのこと。そして、ボーカリストが用意したと思われる楽譜が二人の演奏者の前に置かれているが、それはA4用紙に半分か、せいぜい2/3ほどしか書き込まれておらず、そんな楽譜を見ながら5分あるいは10分といういうような演奏を成し遂げてしまう。

そんな感じで始まる曲は、途中、アイコンタクトや、呼吸のタイミングなどで、トリオが完全に成立する。これは楽しい!やっている本人たちも楽しそうだし、それを見ている我々もつられて頬が緩み、体がリズムを刻む。

きっと、ジャズってこういうものなのだと思うが、形などなく、自然にセッションが成り立った結果なのだろう。楽器や、歌唱の技術はもちろん必要だが、それを備えたアーティストが、純粋に音を楽しむその結果として音楽になっているように感じた。