CA392655これは2ndレンジローバーのエアサスペンションシステムの要である、バルブブロックの内部のパーツ。空気を吸入するときに開けるインレットバルブ、排気するときに開けるアウトレットバルブ、このふたつは同じもの。写真のパーツがまさにその「バルブ」であり、黒い小さなパーツは空気回路を遮断するためのパッキンである。ちなみに、この円筒形のバルブの直径はおよそ5mm。ちょうど、エンピツの背についている消しゴムほどの大きさである。
パッキンというだけあってゴム製なのだが、これが熱によって劣化し、その結果、まるでプラスチックかのごとく硬化してしまう。そうなればバルブの密着は悪くなり、エア漏れを起こす。それが、エアサスペンションの典型的なトラブルのひとつである。そして、このパッキンだけのパーツの供給はされていない。
このパッキン以外に、バルブブロックの内部には50個以上のO-リングがある。そのO-リングは、一部は純正、残りは社外品を使うことで全てが揃う。つまり、オーバーホールに近いことはできる。「近い」とは、つまり「完全なオーバーホール」ではないということ。バルブブロックがオーバーホールで直る条件は、先のバルブのパッキンが無事だった場合に限るわけだ。

ところが、もしかしたら、このパッキンも新品に交換でき、完全なオーバーホールができるようになるかもしれない。ゴムの加工を取り扱う工場に依頼し、試作品を作ってもらった。それがこのパーツ。新品のゴムなので、もちろんとてもしなやかな弾力を持つ。これなら、間違いなくパッキンとして機能するはず。

近く、デモカーを使って試験してみる予定。バルブブロックは、新品で30万円近いパーツ。これを、リビルト品として信頼性の高いパーツを供給できるようになれば、多くの2ndレンジローバーのエアサスペンション問題を解決できるようになるはず。

転がって、机の裏側に入り込んでしまったらそのまま見失ってしまうのではないかと思うほど小さなパーツ。しかし、2ndレンジローバーのメンテナンスの歴史を変えることになるかもしれないとても重要なパーツなのである。