レンジローバースポーツ先週、パワーウィンドウの配線修理を行ったヴェスビウス号、今度はエアバッグ警告等が点灯。さっそく専用テスターを使って診断をすると、右サイドエアバッグ不良の表示。

ランドローバーでは、1995年から1998年のディスカバリー・シリーズ1で頻繁にエアバッグ警告等が点灯した。特に、エアバッグが標準装備された1995年モデルは多かった。原因の多くはロータリーカプラーと呼ばれるステアリングコラムに取り付けられているワイヤハーネスだった。ドイツ車ではスパイラルカセットと呼ばれるもの。
運転席のエアバッグはステアリングホイールに取り付けられている。ステアリングホイールは当然グルグル回すわけで、それでもエアバッグの配線は繋がっていなければならない。そのため、蚊取線香のように渦巻き状になった配線がステアリングホイールの後ろ側に組み込まれている。蚊取線香というか、紙テープのほうが近いかもしれない。紙テープを自然に緩め、内側の端をステアリングシャフト側に、そして外側の端をステアリングホイール側に接続する。そうしておけば、ステアリングホイールを左右にまわしても、紙テープが少しきつく締まったり、逆にもう少し余分に緩んだりするだけで接続が途切れることはない。
これがステアリングホイールに取り付けられた運転席エアバッグの配線の仕組み。
それで、ディスカバリー・シリーズ1時代には、このロータリーカプラーの断線が時々あった。

エアバッグの診断は非常に難しい。警告等が点き、たとえば「運転席エアバッグの断線」というエラーメッセージが出たとしよう。その場合の原因は、大きく3つ考えられる。まずは、メッセージどおりエアバッグ本体の不良。次に、エアバッグに至る配線の不良。その中には先のロータリーカプラーも含まれる。次に、ECU内部の運転席エアバッグに関連する回路の不良。おいおい、それでは構成パーツ全てではないか?!まさにその通りなのだ。
その内で単体点検ができるのは配線のみ。エレクトリカルテスターを使って抵抗値を測り、断線やショートを確認する。厄介なのはそれが正常の場合。ECUは、電気的な単体点検ができない。他の構成パーツが全て良好、ゆえに残されたパーツはECUしか考えられないというように、完全な消去法が必要なのだ。
これをエアバッグシステムに当てはめると、エアバッグ本体はOK、配線もOK、残るはECUのみ!となるわけだが、実はエアバッグ本体も単体点検ができない。サーキットテスターで抵抗値を測る場合、テスターは測定するものに微電流を流す。その電流値でもって抵抗値が計算されてテスター上に表示されるという仕組み。エアバッグに電流を流したら、あれれ?それって?そう、エアバッグが起動してしまう可能性があるのだ。
そんなことで、エアバッグ本体にテスターを当てるのはご法度。エアバッグとECU、二つの不確実要素ができてしまうのだ。こんな場合、中古のエアバッグ本体やECUを使うなど、とにかく交換して様子を見るという原始的な方法を取ることになる。しばらくクルマを平常どおり使っていただき、しばらく走って何も起こらなければ「やはりソレだったか・・・」となるわけだ。

さて、今回は右サイドエアバッグの不良。もしかしたら、先週のパワーウィンドウ同様、雨漏れが原因でワイヤーハーネスに接触不良が起きている可能性もある。どうか、簡単な原因であってほしい。