あるレイブリックのお客さまから春の山菜をいただいた。高原に別荘をお持ちのお客さまで、その地方で採れた山菜を届けてくださった。発泡スチロールの箱を空けると、少しクセのあるとても良い香りがした。山菜は二種類。たらの芽と、もうひとつ。そのもうひとつは、私はなんだか分からなかった。そのなんだか分からないほうが特にいい香りがする。それは「こしあぶら」という山菜だと教えてくれた。
たらの芽は、時々料理屋で食べる。もっぱら天ぷらかな。塩をつけてサッパリといただく。こしあぶらも同様に天ぷらが美味しいとのこと。
そんなことで、今日は山菜の天ぷら。その前にこしあぶらを生でつまみ食い。うん、私はこの微妙な苦さは好きだ。種類は違うが、ミョウガを刻んで鰹節と醤油をかけて和え、ご飯に載せて食べるととても美味しい。こしあぶらも、そんな食べ方ができるのかな?自信がないので、とりあえず今回は無難な天ぷらに決めた。

山菜しまった・・・、揚げてしまったら二種類の区別がつかなくなってしまった。丸くふっくらしたのがたらの芽、細長い茎のほうがこしあぶら。たぶん・・・。
そのこしあぶら、茎が固く見えるのだが、その細い茎が実に味わい深い。芋のように柔らかい。イガイガの葉っぱも天ぷらにしたからなのか、意外にモチっとした食感。
大袈裟ではなく、「このために生きているんだよなあ!」と言いたくなるほど幸せな味である。


さて、今日はお客さまのご了解を得て、この山菜をくださったオーナーさまを紹介したいと思う。
おおよそ10年のお付き合い。それまで乗られていたクラシック・レンジローバーを売却される際にお声がけいただいたのがきっかけである。「このクルマ、次もレンジローバーが好きな方に乗ってもらいたい。だから専門のショップにお任せしたい。」と、そんな電話をいただき、私はご自宅に買い取りにお邪魔した。
ご自宅のガレージにはクラシック・レンジローバーから乗り換えられたばかりの新車のサルーンが収まっていた。私が訪問した時にはクラシック・レンジローバーは既にガレージから外に出されていたが、それでも最後に丁寧に洗車されていた記憶がある。
そして、驚くことに、ガレージにはもう一台レンジローバーが収まっていた。2ndレンジローバーである。ご家族で2台のレンジローバーを所有されており、そのタイミングではクラシック・レンジローバーが代替の対象となったのだった。
クラシック・レンジローバーを手放されることがきっかけで、10年来のお付き合いが始まったのは、その2ndレンジローバーが残っていたことが大きな要因だったのだ。その後、2ndレンジローバーのメンテナンスをレイブリックに任せていただけるようになったのである。
そんなふうに一台の2ndレンジローバーを通じ、およそ9年が経った昨年のこと、レイブリックのデモカーであるレンジローバースポーツ「ヴェスビウス号」をご覧いただく機会があった。そして、クラシック・レンジローバーから乗り換えられたサルーン、そのクルマをレンジローバー・スポーツに代替する案が急浮上した。「急浮上」とは、まさに「急」な出来事であり、たまたまそのときにレイブリックの展示場に並んでいたジャバ・ブラックのレンジローバー・スポーツへの乗り換えを決断されたのは、ヴェスビウス号を見られてからほんの数時間後のことだった。
それが昨年の夏のこと。

現在、サルーンからレンジローバー・スポーツに乗り換えられておよそ9ヶ月が経った。その間、ご夫婦で高原の別荘までのドライブを楽しまれたり、別荘以外の観光地へもレンジローバー・スポーツで頻繁に出かけられている。そんな話を聞くたび、私は興奮に近いほどの歓びを感じる。
レンジローバー・スポーツには、私のお勧めのウインドストーム・アルミホイールとDLEマフラーを装着してくださっている。ヴェスビウス号に続く、レイブリックの順デモカーに仕上がっている。

レンジローバー_スポーツ最後に、多くのお客さまの中で、今日はなぜこのお客さまのことを記事にしたか、その理由をお話しよう。このレンジローバー・スポーツを選んでくださったのは、私よりも30歳も年上の方なのだ。レイブリックの多くのお客さまのなかで、私の知る限り最高齢のお客さまである。今年76歳になられるオーナーさまは、週末になるとレンジローバー・スポーツを駆り出してご夫婦で素敵な時間を過ごされている。ちなみに、6連装のCDチェンジャーから流れる音楽はジャズと演歌、これまた素敵である。
そのお年で、という表現は失礼かもしれないが、しかし、長い人生を重ねてたどり着いた先で選ばれた一台、それがレンジローバー・スポーツだったことが最高に嬉しい。そして、レンジローバー・スポーツで出かけられた先で山菜を見つけ、私を思い出していただけたことで、レイブリック加藤の任務は完結したと錯覚してしまうほどである。

最高の山菜、ごちそうさまでした。