IMG_3031これはディスカバリー・シリーズ1のリヤアクスル部分。ホーシングとシャシはAアームという頑丈なアームで連結されており、その稼動部分にはボールジョイントが設けられている。
走行中の前後左右の動きによる荷重で徐々にガタが生じ、やがて加減速時にカコンカコンと音がし始める。初めて私がこのボールジョイントの交換作業を行なったのは1996年にレイブリックを開業させてすぐの頃。リヤのフロアの下からカコンカコンと響く音源をさぐるのに大変苦労をした。走って音を出しながら、もうひとりがクルマの下にもぐって音を聞く、それができれば苦労しないのだが現実的には無理・・・。幸いにも、レイブリックの整備用のリフトが4柱タイプのものだったので、そのリフトの上でたとえ数十センチだったが車両を前後に動かすことができた。リフトの下に潜り込み、リヤの足回りの音を注意深く聞いて原因にたどり着いた。
もちろん、そんな経験は一度だけで、その後は同様の音質、同様の振動を感じたときには「ハイ!Aアームボールジョイントですね」と、悩むことなく交換作業に入れた。

IMG_3019さて、今、オートクラフトで納車前の点検整備を行なっているのは、まさにその時代のディスカバリーである。1994年にマイナーチェンジをしてエアバッグ付きモデルとなる、その直前のクルマ。ディスカバリー・シリーズ1のマイナー前、通称名「シリーズ0(ゼロ)」と呼ばれることもあるようだが、通常我々はヘッドランプが小さいことから「ちっちゃ目」と呼んでいる。「ちっちゃ目」のDISCOVERYだから「ちっちゃ目ディスコ」なのである。
愛嬌のある呼び名だが、実際、無骨ともいえるスタイルが何故か可愛らしく感じてしまうのも、その小さな目が起因しているように私には感じる。

IMG_3023その、ちっちゃ目ディスコの納車前整備も順調に進み、冒頭で紹介したAアームのボールジョイントの交換や、ブレーキ周辺の消耗品の交換を既に終え、足回りを含めた機関部分の整備は近日中には完了する予定。それらが済むと、ボディーや内装など細かな部分の仕上げ作業に入る。

作業は確実に、しかし最短で!ご納車を心待ちにしてくださっているお客さまの気持ちと、私がエンジニアに求めていることは、きっと限りなく同じものだと思う。