今朝、オートクラフトに出社し朝礼を終えると、瀬川メカニックが「相談です!」と歩み寄ってきた。まだ自分では詳しく診断するに至っていないとのことだが、納車前整備中のクラシック・レンジローバーの走行フィーリングに違和感を感じるのだと。昨日は試運転をして違和感の現状を確認し、今朝から診断に取り掛かろうと思っていたところ、私の姿を見るや何かヒントを得られないかと相談をしてきた次第。
加減速、つまりアクセルをON−OFFした瞬間に車体が僅かに左右に振られるようだと。具体的にはアクセルONで右に、そしてOFFで左に振られる。
こういう感覚的なことは私が好きな分野だ。決して得意ではないが…。とにかく、まずは私自身で試運転を行なった。40〜50km/hぐらいの一般的な速度域でもその現象は僅かだが確認ができた。ハンドルが取られるわけではないので、私はリヤの足回りが怪しいと思い、その動きを注意深く観察しながら試運転を進めた。
IMG_3787リヤの足回り(サスペンション)の構造は至ってシンプル。そのような現象になる原因はそれほど多くは考えられない。最も可能性が高いのは、リヤ・ラジアスアームのマウントブッシュの劣化だろうと思い、一度サービス工場に戻った。リヤ・アクスルの前後の動きを見ようと、運転を瀬川に代わってもらい、私はクルマの横からリヤの下回りを覗き込んだ、運転している瀬川には、微速前進→ブレーキ、微速後退→ブレーキを繰り返してもらった。案の定、マウント・ブッシュがイカれているのかリヤ・ラジアスアームが前後に大きく動いているのが確認できた。リフトで上げて点検したところ、特に左側のブッシュが大きくヒビ割れていた。

車体が左右に振られる動きとも辻褄が合う。加速時に左側のラジアスアームが伸びれば、リヤリジッドアクスルは左を向く。つまり車体は右に振られる。減速時はその逆。左ラジアスアームが縮む分アクスルが右を向き、車体は左に曲がろうとする。フォークリフトのようにリヤでステアリングが切られている感覚なのである。

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そして交換。左側写真が新旧のブッシュ。右がパックリ割れてしまったモノ、左は新品。右側のラジアスアームと共に左右のマウントブッシュを交換し、再び試運転。
アクセルのON−OFFでの違和感はなくなり、安定した本来の走行フィーリングが得られた。

こんなふうにひとつでも多くの不具合や違和感を察知し、また発見し、それを対処することでクォリティーの高いランドローバーが完成する。スタッフ全員、五感を研ぎ澄まして目の前のクルマに集中だ!