2ndレンジローバーにはスーパー・ロックという機能がある。通常、ドアのロック⇔アンロックの操作はリモコンキーを使って行う。リモコンキーを使わない場合の操作方法は、乗車中にはドアのロックノブを上下させる。外からなら鍵穴にキーを差し込んで回す。これらの操作は、ロックノブや鍵穴からリンクを介してラッチに伝えられることで成立する。
スーパーロックとは、ラッチ内でリンクからの伝達機能が切り離される仕組みで、つまりロックノブからも鍵穴からもアンロック操作が不可能になるのだ。伝達機能の切り離しや復帰は、ラッチ内の小型モーターによって電気的に行われる。リモコンキーを使ってロックをする際、ロックボタンを連続で2回押すころでスーパーロックは掛かる。
この状態では、仮に車内に乗員が残っていたとしたら大変なことになる。内側からロックノブを上げようがその力はラッチに伝わらず、つまりロックは開かず、もちろんドアも開かない。外に出られないということ。
もっとも本来は盗難対策のためのシステムで、仮にガラスを割ってロックノブを上げてもドアは開けられないのである。車上狙いの常套手段は、まずリヤドアの小窓を割る。これはガラスが小さいので音も出にくく、割れたガラスの破片の量も少ないからといわれている。小窓を破ってそこから手を伸ばしてロックノブを上げドアを開けて侵入するわけだ。ところが、スーパーロックを掛けていればドアは開かないのだ。かといって、小窓からでは体が入るわけではなく、結局、ほとんどの場合は物色を諦めるというわけ。実際、そこまでの被害で、現実には何も盗まれなかったという例を過去に何度か見たことがある。

そんなふうに、セキュリティー面では大変たのもしい装備なのだが、これが故障すると厄介なことになる。
ラッチ内にあるスーパーロック用の小型モーターが壊れてしまうと開錠する方法はなくなってしまうのだ。ただ、先の泥棒と違うところは、壊れていない他のドアは開くので車内には入れる。それでも、修理となるととても大掛かりな作業となる。
レンジローバー通常、ドアラッチの交換はドアが開いた状態で行う。ドアトリムを外す必用があるし、ラッチの固定ボルトはドアを開けた面から緩めるのだ。結局、ドアが開かなければドアラッチにたどり着くことができないのだ。
そこで、我々はこのような手段をとる。ドアラッチが噛み合っているストライカー(受ける側の金具)を切断してしまうのだ。これでドアは開き、ようやく交換作業が可能になる。
ただ、とても狭いスペースでの作業となるのでボディーに傷が付かないように工夫が必要。その方法は、・・・安全上の問題もあるので詳しく話すのは割愛させていただこう。

とにかく大変な作業なのである。かといってせっかくの防犯システムを使わない手はない。壊れてしまったときは我々に任せて、普段はしっかりスーパーロックを活用してください。