このプロジェクトはオーナーさまの熱意から始まった。そして製作を引き受けたオートクラフトだったのだが、プランニングの段階で、これは只事ではないという緊張感が押し寄せてきた。もしオーナーさまのご意向を全て盛り込んだとしたら、このレンジローバーはとんでもない一台になるだろうと。そして打ち合わせを繰り返し、それが現実味を帯びてきたときには我々は腹をくくった。妥協は許されない!そして、最も気合いが入っていたのはオートクラフト会長の大橋だったことは間違いないだろう。「人生の集大成といえる一台を作る」という意気込みが私たちにも伝わってきた。
制作期間が予定より大幅の遅れたのは事実だが、ようやく、ようやくこのレンジローバーをオーナーさまにお届けする日がやってきた。実際には一ヶ月ほど前には完成していた。しかし、オーナーさまのご厚意で、ご自身と奥さま、そして大橋と私の予定が全て合う日を見計らってくれたのだ。みんなで意見を出し合って作ったクルマだから!と。そのために、一週間、また一週間と日程が伸びていった。納車の日程を遅らしていたのは、そう、私だった・・。
そして、今日がその納車の日となった。本当にお待たせいたしました。実際ここまで手を入れたクラシック・レンジローバーを、これまで私は見たことがない。もちろん作ったこともなく、このプロジェクトのリーダーを務めた大橋も人生で最初で最後の渾身の一台だと認めている。
ボディーは内外装共に、機関部分に関しても、エンジン、オートマチックトランスミッション、ブレーキ、サスペンション、マフラーに手を加えた。クーラーもヒーターもリフレッシュした。このクルマで触っていないネジは数えられるほど!そう言っても決して大袈裟な表現ではない。完成したレンジローバーを見たオーナーさまに、「待った甲斐があった!」と仰っていただけたことで随分救われた気分になった。

製作に携わった我々としては今日がプロジェクトのフィナーレとなったわけだが、この作品をオーダーしてくださったオーナーさまにとっては今日がレンジローバーとの生活のスタートなのである。我々とは、このレンジローバーを通じた新たなお付き合いが始まったのだ。末永くどうぞよろしくお願いいたします。

レンジローバー1レンジローバー6

レンジローバー4レンジローバー7

レンジローバー3レンジローバー2

レンジローバー5レンジローバー8

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