今日、長野の知人を訪ねた。私が「巨大建造物マニア」であることを知っている知人は、「松代大本営」のひとつ「象山地下壕」へ案内してくれた。
第二次世界大戦末期に、旧日本軍が政府機関を移すために掘った地下壕。象山(ぞうさん)という山に横穴を堀り、碁盤の目のように張り巡らせた地下通路である。入り口は身をかがめないと頭を打つほどの高さだが、中に入るとその通路の中にはクルマが通れるほど広い空間もある。想像を絶する規模だ。

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数年前に小説「永遠の0(ゼロ)」や「日輪の遺産」を読み、映画「太平洋の奇跡」を観た私は、以来「戦争」について考えることが増えた。建造物を見ることにも興味を覚えたが、今回はそればかりではない。一本の見学コースだけでも往復でおよそ1キロ。その壮絶な戦いの一部がまさにそこにあるようで、とても穏やかな気分で見学ことなどできなかった。
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これを作ることで勝算はあったのか?仮に勝算を感じていたとして、それは意味のある戦いだったのだろうか?その戦いで亡くなった多くの命の意味は・・・。もし、長崎と広島に原子力爆弾が投下されなかったら、この施設の建設は更に進み、完成し、皇居や政府機能が移転し、それでも少年は特攻に発ち、女学生は連合軍の標的になる軍需工場で働き、そして、・・・そしてこの国はどこへ向かっていたのだろう。

この地下壕は、地元高校の郷土研究班(ちなみに、この地方では「部」のことを「班」と呼ぶらしい。吹奏楽班、陸上班など。)が調査を進め、長野市に働きかけたことで存続と一般公開が行なわれているとのこと。残されていて良かった。見ておくことができて本当に良かった。
それにしても、後世に伝えなければならない大切なことを、大人が子供に教わるなんて・・・。