レンジローバーのウィークポイントの代表格として、エアサスペンションは方々で頻繁に取り上げられる。そして、その話題の根源の多くは2ndレンジローバー。
1970年にデビューしたクラシック・レンジローバーは、ほとんど末期の1993年モデルでエアサスペンションが採用された。1995年までの足掛け3年だけがエアサスペンション車だった。
1995年にデビューした2ndレンジローバーは、グレード問わず全車がエアサスペンションであり、それが故にトラブルが多く発生する結果になったのだと私は理解している。クラシックレンジローバーは、コイルサスペンションからの発展だったので、バルブブロックやコンプレッサーなどのエアサスペンションの構成部品はフロア下のシャシに取り付けられている。一方、2ndレンジローバーはエアサスペンションであることが前提での設計なので、構成部品はキレイにボンネット下に収められることになった。その結果、エンジンや排気の熱の影響をモロに受けることになり、それがトラブルの引き金になっている。
その経験があったからこそだろうが、その以降のランドローバーの各エアサスペンション車は、構成部品を一切エンジンルームに置かなくなった。

2ndレンジローバーのデビュー当初、例えばバルブブロックの内部でトラブルが発生した場合はアッセンブリ交換を強いられた。交換費用は30万円前後。ただ、トラブルの原因となるのはバルブブロックだけではなく、すぐ隣に配置されているコンプレッサーや制御ユニットであるドライブボックスなんかも頻繁にイカれた。
後に、バルブブロックはオーバーホールでの対応が可能になり、修理費用も格段に抑えられるようになったのだが・・。

レンジローバー_エアサスペンション写真はそのバルブブロック。奥の大きいものが2ndレンジローバーのもの。手前の小さいものはレンジローバー・スポーツ用(ディスカバリー3や4も同じ)。2ndレンジローバーはこれがエンジンルームにあって4輪を制御してる。レンジローバー・スポーツ用は、これは2輪を制御しているもので、フロントとリヤそれぞれのアクスル付近に取り付けられている。信頼性そのものも上がっているだろうし、なにせ熱の影響も受けない場所に配置されているので故障の頻度は2ndレンジローバーとは比べ物にならないほど低い。
少ないとはいえ、2005年にデビューした初期モデルは既に7年以上が経過しており、ポツリポツリとエア漏れが発生しはじめている。漏れが発生したバルブブロックは交換することになるのだが、前後それぞれ必要なほうだけを交換すればよいのはコスト面では大変助かる。しかも、交換費用は部品代も含めて数万円ととても嬉しい価格なのである。
巷で恐れられている「レンジローバーのエアサスペンション」は、実はこんなふうに進化をしている。絶対に安心とはいえなが、おそらく多くの方が思っているよりも充分に安心なものになっていると私は思う。