クルマを停止させるときにペダルを踏んで使うフットブレーキ、一般的にそのシステムは油圧式である。液体を入れたふたつの注射器を使い、お互いの針の部分をパイプで繋ぐ。油圧式のブレーキシステムを超簡単に説明するとこんな感じ。
片方の注射器を押し込むと、もう一方の注射器のピストンは飛び出してくる。押し込むほうがマスターシリンダーで、押し出されるほうがホイールシリンダー(ブレーキキャリパー)。ブレーキペダルを踏むことでマスターシリンダーのピストンを押が押し込まれる。押し出されるホイールシリンダー側にブレーキパッドがあり、回転しているブレーキディスクに押し付けられてブレーキが効く。
このシステムの媒体となっている液体がブレーキフルード。このブレーキフルードは水溶性で、空気中の水分を徐々に吸収していく。フルード内に水分が混じることで沸点が下がる。沸点が下がればフルード内で蒸気となった気体が泡となって混じり、ブレーキの踏力はその泡によって伝達力が落ちる。つまりこれが劣化なのだが、そのため、ブレーキフルードは定期的に交換が必要になる。だいたいそのサイクルは2〜3年。ちょうど車検ごとということになる。ほとんどの車検工場でお決まりのメニューになっているのは、こんな理由からである。我々の工場でも例外ではなく、車検時にはみなさんにお勧めしている。

ランドローバーレンジローバー
ブレーキフルードの交換は、マスターシリンダー側のリザーバータンクから新しいフルードを注入し、押し出すようにしてブレーキキャリパー側から抜く。ご覧のように新品のフルードは透明だが、キャリパーから抜き取った劣化したフルードは真っ黒に変色している。目に見えない部分の整備ではあるが、これによってブレーキの信頼性は確実に上がる。
私はこの作業が大好きだ。汚れたものを全て排出し、回路内が新鮮なフルードで満たされる。最高に気持ちがいい!