今回はディフェンダーを取り上げるが、ランドローバーに限らず自動車エンジンの多くは以下と同様の構造である。エンジンブロックは鋳造製で、砂型を使って融けた金属を流し込んで形成される。型は、外枠や内枠など、いくつかのブロックに分かれており、流し込まれた金属が固まったあとに砂を崩して取り去るという製造工程。エンジンの場合には、その内側の型を抜き取るための穴があり、その穴は金属製の蓋で閉じられる。その穴は俗に「砂抜き穴」、蓋は「砂抜きプラグ」と呼ばれる。

ディデンダー_エンジンここはオートクラフトのピット内。お客さまにご契約していただいたディフェンダーを、その納車に向けて整備を進めているのだが、点検の過程で冷却水漏れが見つかった。漏れの箇所はエンジンとオートマチックトランスミッション(A/T)の隙間から。ここから漏れるということは、エンジンの後ろ側にある「砂抜き穴」周辺が考えられる。金属製の蓋が錆びによって腐食をし、そこから圧力が掛かった冷却水が漏れ始めるという現象だ。これを修理するためには、エンジンとA/Tを切り離る必要がある。今回はエンジンを下ろし、クーラント漏れを確認し、砂抜きプラグを交換するという工程。
ランドローバー_エンジン私が目を離しているうちに作業は進み、腐食して漏れが発生しているプラグは既にきれに取り外されていた。しかし、ブロックにはクーラントが漏れて伝った跡が残っているはこの写真で確認していただけるだろう。この後、新品のプラグを打ち込んで再びエンジンを載せる作業に入る。

我々のスタンスでは、納車整備に掛かった費用は車両代に含んでいるのでお客さまのご負担にはならない。いただくのは、この作業によってやむを得ずご納車が遅れてしまう「時間」だけ。その分、安心して乗っていただけるクルマに仕上げてお届けできることをお伝えし、さっそく作業に取り掛かった。
お客さま、今しばらくお待ちください。