最近クラシック・レンジローバー「バハマ号」のパワーウィンドウの調子が悪かった。下りるほうも辛そうだが、上がるほうはモーターの力が足りずに途中で力尽きて止まってしまう。ガラスを手で持ち上げないと閉まらないという状態。途中で何かが抵抗になっているような重々しさがあり、特にバッテリーが弱っているときにはモーターは簡単に根を上げてしまう。
分解してモーターを単体で作動させてみたが異常は見らずれず、モーターは元気よく回転した。そうなれば単純にガラスの摺動に問題があるのか。モーターとレギュレーターを取り外した状態で、サッシとガラスだけをドアに組み付けてみた。その状態で手でガラスを上下させてみると、既に動きがとても重い。ガラスが自重でストンと落ちるぐらいでないといけないのに、手でグイっと力を入れなければ上下させられない。これではモーターが元気であってもとても正常に作動するはずはない。
では、どこに原因があるのだろうか。ガラスラン(サッシとガラスの間のゴム)を取り外すなどして目視点検してみた。そして怪しいところを発見。
以下、ダイジェストで。

原因らしき部分はこのサッシを固定するためのボルト。正確にはボルトを受ける側のサッシのナット部にある。
クラシックレンジローバー

ドアからサッシを取り外したところ。これはサッシに溶接されたナット部分。
レンジローバー_サッシ外側

ガラスランを取り外して溶接部分の裏側を見ると、僅かだがポッコリとドーム状に膨らんでいる。
レンジローバー_サッシ内側

この部分がガラスランを圧迫しているようだ。ガラスランはドーム状に合わせたように窪んでいる。
レンジローバー_ガラスラン

ガラスランの内側、ガラスに当たっている部分もココだけが強く擦れているようだ。
レンジローバー_ガラスラン内側


おそらく、ガラスランのゴムが経年で硬化し、ドーム状に膨らんだ溶接部分を弾力で吸収することができなくなったのだろう。その分、ガラスに対して直接強い力がかかり、摺動の妨げになっていたようだ。
きっとガラスランを新品に交換すれば問題はなくなるだろうが、ランとしての機能を失っているわけではないのでなんとも勿体ない。そこで、ランを加工してみた。膨らみに当たる部分をカッターナイフで削り、ガラスを圧迫しなういようにした。
レンジローバー_ガラスラン加工


予想通り、これで解決!ガラスはサッシ内をスムーズに摺動するようになった。

実はこの原因は簡単には分からなかった。仕事が終わってから、夜、ガレージ内でゴソゴソとやっているうちは見つけられなかった。ガラスランの異変は、昼間に明るいところで見て初めて分かったのだ。整備環境の大切さを痛感した瞬間でもあった。
モーターを取り付けて完成。
ウィンドウの動き具合いと共に、なにか心に引っ掛かっていたものがスっと取れたようでとても気持ちが良い!