アクセルペダルを踏むと、それに連動してエンジンのスロットルバルブが開いてエンジン回転が上がりクルマは加速する。その「連動」の仕組みは、従来、多くはケーブルが使われていた。ペダルを踏むことでテコの原理でケーブルを引っ張り、その先にスロットルバルブが取り付けられているという仕組みである。
最近はそのあたりも電子制御化が進み、アクセルペダルに取り付けられた開度センサーの電気信号を、スロットルバルブに取り付けられたアクチュエーターに伝えてスロットルを開くドライブ・バイワイヤと呼ばれるシステムが主流になっている。

従来のケーブル式の場合、クルーズコントロールを働かせようとした場合、何らかの力でケーブルを引っ張ってやらないとスロットルは開かない。それをバキュームの力で引っ張っていた。エンジンの負圧やバキュームポンプを使いリザーバータンクに負圧を溜め、その吸い込む力でスロットルを引っ張る仕組みだ。つまり、エンジンルームにはバキュームホースが張り巡らされていた。
レンジローバーそのバキュームホースに亀裂が入り、負圧が保たれなくなればクルーズコントロールは作動しない。作動不良の代表的な原因である。レンジローバーでは、クラシック・レンジローバーや2ndレンジローバーがそのシステムを使っている。

最近のドライブ・バイ・ワイヤ式では元々スロットルバルブを開くためのアクチュエーターが存在するので、クルーズコントロールが装備されたからといって特に多くの構成パーツが必要になるわけではない。構成部品が少なければ故障のリスクも少ない。ただ、確率が低いとはいえ、仮にクルーズコントロールが効かないトラブルに見舞われた場合にはバキュームホースの亀裂のように目視で原因にたどり着けるようなことはほとんどなく、最低でもサーキットテスターなどの診断機器が必要になるだろう。

クルマは猛烈に進化し、性能も信頼性も上がっている。しかしその反面、手出しできない範囲が増え、人とクルマとの距離が広がっていくような気がして少し拗ねたくもなる…。
高性能で快適な新型レンジローバーに乗るか、全ての機能を完全に働かせることが困難になっているクラシック・レンジローバーと共存するか、クルマとの接し方にはいろいろなスタイルがある。だからそれぞれの世代のランドローバーが支持され続けているのだろう。