1970年にこの世に登場したクラシック・レンジローバーは、20年後の1990年にようやく日本に正規輸入されるようなった。その後、1995年に二世代目にフルモデルチェンジされるまでの5年間の短い間にもさまざまな変更が加えられた。
まず、その代表的な変更点を整理しておこう。

1990年→1991年・・・サンルーフがスチール製からガラス製に変更、ガソリンタンクがスチール製から樹脂製に変更
1991年→1992年・・・フロントシートヒーター追加
1992年→1993年・・・サスペンションがコイル式からエアサスペンション式に変更
1993年→1994年・・・ダッシュボードの変更に伴いエアバッグの追加、クーラーからエアコンに変更

今日は、1992年から1993年に変更されたサスペンンションシステムについて。
元々コイルサスペンションで設計された車両に対してエアサスペンションが組み込まれることになったので、シャシやホーシングのサスペンションの取り付け部分の構造には全く変更なく、サスペンションだけを変えることで対応されている。つまり、互換性があるわけで、エアサスペンションを取り外してコイルサスペンションを組み込むことは物理的には容易である。エアサスペンションの修理から開放されたいと思うユーザーさんにとっては、この構造はとてもありがたいことである。
日本の法律では、懸架装置を変更する場合には構造変更検査を受けなければならない。例えば、車検のタイミングなどであればそれほど面倒な作業ではないし、無駄なコストの発生も抑えられる。オートクラフトでも、既に何台もの構造変更を行ってきた。現在もその作業を行っている車両が入庫している。
2ndレンジローバー以降、現行レンジローバーに至るまではエアサスペンション車だけが設計されてきたので、それらをコイルサスペンション化するにはセッティング諸々未知数部分が多すぎる。ただ、クラシック・レンジローバーに関しては1992年までのコイルサスペンション時代の走行性能は確約されるわけなので、個人的にはそれほど抵抗は感じない。
各年式モデルの特徴はそれぞれあって同時にそれらが魅力でもある。オーナーの拘りもあるだろう。オリジナルの状態を存続させることは大賛成だが、例えばエアサスが壊れて高額の修理代が掛かるからクラシック・レンジローバーに乗ることを諦めてしまうというのなら、たとえ構造を変更してでも一台でも多くのクラシック・レンジローバーに残っていてほしいと思う。
レンジローバー_コイルサスペンションレンジローバー_エアサスペンション