人気のリフォーム番組「劇的・ビフォーアフター」、今日は二時間の特番だったのだが、ご覧になられた方もいらっしゃるだろうか。

今日の匠は建築家の浅井裕雄(ひろお)氏。彼は番組には初登場なので、ご覧になられた視聴者のみなさんにとってはたまたま出演されたリフォーム業者のように見えるかもしれない。しかし私にとっては今回の出演は歴史的なもの。浅井”君”は私の同窓生なのである。レイブリックの店舗も彼の手によるもの。お客さまからの評判もよく、ここを建てた建築家を紹介してほしいと言われることも珍しくない。
レイブリック彼にレイブリックの店舗を造ってもらったのは2002年。その時も彼の仕事ぶりに感心しっぱなしだったが、今日の番組を観て改めて彼の進化に驚かされた。芸術的な才能は言うまでもないが、それ以上に彼が努力の人であることを私はよく知っている。彼の進化は努力の賜物である。

「ビフォーアフター」で取り上げた今回の物件だが、施主は息子さん。結婚を機に生まれ育った家を出てそれほど遠くないところに住んでいたのだが、奥さんが妊娠したことをきっかけに実家に戻ることを決意。実家を二世帯住宅にリフォームするというプラン。しかし、実家というのは11年前までご両親が喫茶店を営んでいた建物。現在はご両親が、ほぼ喫茶店のままの状態で住まわれていた。喫茶店だけに基本的に土足のままの生活。まもなく生まれてくる赤ちゃんがハイハイすることなど不可能。そこで匠が立ち上がった!というストーリーである。
匠


完成後のご家族のみなさんの驚き、そして感極まり匠の手を握って額にあて、声を震わせたお父さん、その姿が全てを物語っていた。匠は施主の期待以上のものを作り上げたのだ。
友人だからという贔屓目な見方をするまでもなく、とても素晴らしいリフォームだった。

彼とは同じ高校で、二年と三年のニ年間同じクラスだった。その後、同じ大学に進学した。学部学科も同じ、工学部建築学科。そう、当時は私も建築家をめざしていた。しかし私は大学卒業と同時に自動車業界に入った。在学中から自動車が好きになり、生涯に渡って自動車に携わっていこうと考えたのは事実だが、実際のところは建築家になることをとうに諦めていたのだ。諦めた原因というのが、正に浅井裕雄の存在だった。元々のセンスは、私だって負けていなかったかもしれない。しかし、彼の建築と向き合う姿勢には全く敵わなかった。彼は大学で真剣に建築を学び、めきめき頭角を現した。反比例するように私は自信を失っていった。一流の建築家になれるのは彼のように努力を続けられる人間であって、自分のようなナマケモノでは絶対に無理だと感じたのだった。

デザイン、アイデア、工法、トレンド、法規、ネットワークなど、建築に必要な要素全てをバランス良く保ち、更に向上させるための努力を、彼は今も続けている。彼は尊敬できる建築家であり、私の自慢の友である。
ビフォーアフター、成功おめでとう!