夏休みも終わり、営業再開!気温はそれほど高くないがとても蒸し暑い・・・。幸いダレている間もないほど仕事に追われたのであっという間の一日だった。

今日は趣を変えた話題を。
ディスカバリーシリーズの第3世代である「ディスカバリー3」が発売されたのは2005年。我々は国内で販売されたランドローバーが中古車となって市場に出てくる頃になってようやく新型車種に触れるようになる。発売から一年そこそこで中古車になって店頭に並ぶことはほとんどない。そんなタイミング、つまりまだ中古車としてのディスカバリー3をほとんど扱ったことがない時期にそのクルマは入庫してきた。
2006年の秋のこと。電話を取ると「初めての電話なんですが」と、かなり遠方の方からの問い合わせだった。お話をお伺いすると、買ったばかりのディスカバリー3に乗っている最中、センターラインをオーバーしてきた対向車と衝突してしまい、大事故を起こしてしまったのだと。幸い身体は大丈夫。しかし、ディスカバリー3はとても修理が不可能なほどの大損害。金銭的には双方の自動車保険で補填できるのだが、オーナーさまの心配はこのディスカバリー3の「その後」だった。
地元で相談したが、どうやら解体業者に直行とのこと。念願のディスカバリーを手にして、そして突然の全損事故。そのまま葬られてしまうのがなんともやりきれない。そこで、「レイブリックさんならこのクルマを早急に潰してしまうことなく、いろいろ役に立ててもらえるのではないかと思い・・・」と電話をくださったのだった。
私はまずメールで画像を送っていただくようお願いをした。そして届いた画像を見たのだが、実際には絶句に近い状態だった・・・。このクルマを修理することは最初から考えてはいない。というか、考えられないほどの損傷。それは電話の時点で想像がついていたのだが。残る道は「部品取り」。車両の無事な部分を中古パーツとして生かす方法。しかし、実状としては、無事な部分がかなり少ない。それよりも大きな問題は、まだ中古車が出回っていないこの時期に、中古パーツの需要が皆無に等しいこと。中古パーツが必要になってくるのは早くても数年後。レイブリックとして今すぐに必要なクルマかと問われれば答えはNOだった。しかも、事故の損傷でタイヤ転がらない。積載車で強引に引っ張り上げる必要がある。更に、遠方のために日帰りでは不可能。
それでもレイブリックは買い取りに出かけた。それはオーナーさまの想いがひしひしと伝わってきたから。
ディスカバリー実際にはオーナーさまにとっては地元の解体業者に引き渡したほうが金銭的にはメリットがあっただろう。レイブリックから一泊二日をかけて引き取りにいくコストを考慮すると、我々はとても同様の金額を提示することができなかったのだ。それでもオーナーさまは「レイブリックさんに引き取ってほしい」と仰った。ドナーとなって、自分のクルマの一部が生き続けてくれたほうが良い、誰かの役に立ってくれれば良いと。

このクルマがレイブリックにやってきた当時、メカニックは「当分は使い道ないですよ」と言った。確かにそうだった。後輪のアルミホイールぐらいなら冬になればスタッドレス用として欲しいひとが現れるかな?ぐらい。それでも2本だけだし・・・。
あれからもうすぐ8年。この間には中古車としてのディスカバリー3の時代が訪れ、ドナーから取り外されたパーツは大いに活躍をした。そろそろ再利用できるパーツも無くなってきたかなというほどあらゆるパーツが取り外された。おそらく近い将来は本当に解体業者の手に渡ることになると思うが、ここまで使い切ればオーナーさまの想いも叶ったことだと思う。