クーラーが効かなくなったクラシック・レンジローバーが入庫した。
事実だから言ってしまうが、1993年までのクラシック・レンジローバーのクーラーの故障は決して珍しいことではない。最近でこそクラシック・レンジローバーの取り扱い台数が減ってきたものの、全盛期には「ハイ、お次の方どうぞ〜」と言っても過言ではないほどで、ハイシーズンになると一日に何台も入庫したものだった。私自身も運転中に何度も辛い思いをした。東京から名古屋までクーラーが効かないまま走ったこともある。万が一にも渋滞に突入してしまったら一大事。パーキングエリアでペットボトルのドリンクを多めに買って水分を切らさないようにして走った。また、凍ったペットボトルも買い、両脇に挟んで暑さを凌いだ。

話は戻るが、珍しいことではないとはいえ、猛暑にクーラーが効かないことは深刻である。さっそく診断に取り掛かった。
お客さまのお申し出どおり、ブロワファンを回しても冷風が出てこない。エンジンルームでチェックとするとコンプレッサーが回っていないことが分かった。コンプレッサーが回らないことで考えられる代表的な原因は、.ーラーガス漏れ 電気回路のトラブル コンプレッサー本体の故障 が挙げられる。それらが複合しているケースもある。
故障の状況や初期診断によって点検の方向性は変わってくるのだが、今回、まず分かったことはコンプレッサーの電源回路のフューズが切れていたこと。フューズが切れる原因は、例えば電気配線がショートしたり、どこか一部が異常な抵抗を持っていることが考えられる。10アンペアのフューズが切れるということは、それ以上の電流が流れたからに他ならない。
本来なら電流値を測ってから次に進むべきだが、我々は故障車から取り外したような中古のフューズを大量に持っている。なので、こういう場合には試しに代わりのフューズを差し込んでみる。そこでもパチンと飛ぶようなら配線のショートを疑いながら診断を開始する。仮に、フューズを交換したところ正常に動いてしまった場合が厄介だ。正常に作動している時に異常を発見することは、まさに雲を掴むような話になるわけだ。そして、現実にはそういうケースが非常に多い・・・。今回もそうだった。フューズを代えたらクーラーは正常に作動してしまった。何か突発的なトラブルが起きてフューズが飛ぶ、その突発的なことが主原因であって、突発的だけにいつどんなタイミングで起きるか分からない・・・。
ただ、今回はかすかに異常を感じていた。それは臭いだった。エンジンルームから僅かだが焦げくさい臭いがしていた。可能な範囲で鼻を近づけて調べてみた。もちろんそれがクーラーのコンプレッサーだったら一気に結論に近づく。しかし、決め手に掛けた。
レンジローバーそのままクーラーを掛けながら各部の点検を続けていたら、突然コンプレッサーが止まった。見れば再びフューズが切れていた。そして、臭いも強く感じられるようになっており、コンプレッサーに鼻を近づけるとそこが原因であることは明らかだった。コンプレッサー内部に不具合があり、抵抗になって電流値が上がっているようだ。症状が出てくれてよかった。電流値を測定したら16アンペアだった。フューズが切れるはずだ。

今日分かったことはここまで。まずはコンプレッサー交換の必要がある。

クーラーは無くては困るものだが、個人的にはクーラーを点けずに窓を開けて気持ちよくドライブできる季節が好きだ。早く本格的な秋が来ないかなあ!