BONATTI 第八章 輪廻 より)

今日、私は積載車に乗ってオートクラフトへ出かけた。ブレーキに不具合を抱え、自走が不可能になったボナティー号をレイブリックに運ぶためだ。
中野さんが所有していた6年間でおよそ11万キロを走行し、その後我々の元で11年間で走った距離は7万キロ。中野さんが使っていた頃は外装だけは痛みが進んでいた。しかしそれ以外の全てにおいては我々が使ってきた期間のほうが消耗や劣化が早い。それもこれも中野さんの使い方がいかにクルマにとって優しいものだったかを物語っている。走行距離の大半はストップ&ゴーのない高速走行、駐車は屋根付きガレージ、良いコンディションを維持するための条件が揃いすぎている。
我々がボナティー号をいくら大切に扱ったところで、風雨や日射による車体の劣化を防ぐには限界がある。例えばダッシュボードの変形。フロントガラス越しに直射日光が当たり、その熱によって反り上がってきてしまう。ボナティー号も例外ではない。ダッシュボードを交換するには大変な手間やコストが掛かるので、そう易々と交換できるものではない。

レンジローバー (2)

今回、ボナティー号をレイブリックへ里帰りさせた目的は、もう一度デモカーとして活躍していた時の輝きを取り戻すこと。まずブレーキの修理。とりあえず日常的に乗れるように再整備をし、それから各部のリフレッシュを順次行っていこうと思う。

きっと中野さんも喜んでくれるはず。

(完)