レンジローバーは1970年にデビューし、様々な変更はあれどフルモデルチェンジ無しで25年間製造された。日本に正規輸入されるようになったのは1990年で、25年という長い歴史の中では末期の5年間だけなのである。その後1995年に初のフルモデルチェンジを行なった。初代と2代目を区別するために、メーカーは「初代を『クラシック・レンジローバー』、二代目を『NEWレンジローバー』と呼びましょう」とアナウンスした。今日はクラシック・レンジローバーについて。
どのメーカーのクルマもそうだが、20年も経てば技術はめまぐるしく進歩し、多くの装備は電子化された。それに伴い、1990年に正規輸入車として日本に初上陸した時には完全に「超高級車」という立場になっていた。電動スライディングサンルーフ、電動ドアミラー、パワーウィンドウなどなど、当時の国産車では上級グレードのみ、あるいはオプション扱いだった装備は全て標準で装着されていた。そして本皮パワーシートも。当然、私など全く縁のない雲の上の存在だった。
当時のパワーシートはスイッチ操作によってモーターでポジション調整が行なわれる"だけ"のものだったが、1992年には電子制御化されてメモリー機能が増えた。それを制御するコントロールユニットが存在するのだが、そういったものには故障は付きもので、これがまた厄介な壊れ方をすることが多かった。メモリー機能はシート位置と共にドアミラーの角度も記憶されるのだが、それらがハチャメチャな動きとなり、シートは人が乗り込めない位置で固定されてしまったり、ドアミラーは勝手に変な方向を向いてしまったり・・・。
コントロールユニットが故障した場合、電子基盤を専門に扱っている業者に修理依頼をして成功する場合もあるが、それでも解決しないこともある。交換するとなるとパーツ代は20万円以上!それなら「メモリー無しの頃のスイッチ操作で動く"だけ"の仕様で十分」という発想にもなるわけだ。

レンジローバー_シートレンジローバー_ドアミラー
ここはオートクラフト会長の大橋のデスク。まさにその改造を行なっているところである。配線図とにらめっこしながら回路を解析し、アナログの基盤を製作中。これが成功すれば、現在不具合を抱えたまま騙し騙し乗られているユーザーさんにも紹介できる。ただ、問題もある。メモリー付き車とメモリー無し車でドアミラースイッチが異なるのだ。そして既に新品パーツは供給されていない。中古でも何でも良いのでメモリー無し車用のドアミラースイッチを用意する必要がある。見つかったらお宝だ!