パーキングブレーキ、名のごとく駐車のためのブレーキ。ランドローバーの場合、2005年のディスカバリー3から電動パーキングブレーキが採用されるようになった。従来は運転席サイドの手元にレバーがあり、それをギリギリと引っ張るタイプの手動式だった。レバーを引く、あるいは踏むことでワイヤーを介して直接的にブレーキを掛けるという、極めてダイレクトなシステムだ。電動になったことでレバーが無くなった。その代わりにボタンになり、ボタン操作でモーターを作動させてブレーキの作動と解除を行なう。
手動と電動、それぞれにメリットとデメリットがある。手動の場合、レバーは手や足に力が入りやすい場所に設置しなければならないが、ボタンの場合にはその制約がない。手動では室内からフロア下のブレーキまで太いワイヤーケーブルを通す必要があるが、電動は電源ハーネスが通ってさえいれば良い。手動の場合、万がいち戻し忘れたまま走行してしまうと焼きつきなどのトラブルに繋がる可能性があるが、電動の場合はアクセルペダルを踏んだ瞬間にその信号が伝わって自動で解除される。また電動では人の手の感覚に頼らずに一定の力で確実にブレーキが掛かる。
ここまで書くと多くの場合において電動が勝っていることが分かる。もちろん時代の流れは全車種電動化である。しかし、全ては「故障しなければ」という条件付き。電動だけに、故障箇所の可能性は広がる。スイッチ、各センサー類、ワイヤーハーネス、モーター、などなど。発売から10年近く経っているわりには故障は少ない印象だ。しかし、無いわけではない。モーターが固着してスイッチ操作をしても反応しないなど。現在入庫しているディスカバリーもどうやらモーターが怪しい。パーキングブレーキモーター


電子制御化が進めば便利で快適なことが増える。しかし、全てをそれに頼るのはやはりリスクが伴う。ランドローバーで言えば、ディフェンダーやクラシック・レンジローバーならそうした電子パーツはかなり少ない。性能や快適性は現代のクルマには遠く及ばないし、日々のメンテナンスには手間が掛かる。経年による故障や、当時のテクノロジーのレベルによるリスクは確かにある。しかし、トラブルの際には何らかの方法で解決できる可能性は高い。故障原因にたどり着きやすいし、それ故に旅先で応急処置ができることも多い。
まさに一長一短だ。どちらをとるか、何を優先させるか、ニーズや生活環境に合わせてそのバランスをとることこそがカーライフの基準になるのかな。