今日はオートマチック・トランスミッション(A/T)の話。
私がメカニックとして最初に携わったのはトヨタ車。1980年代のその頃の乗用車の主流は4速A/T。10万キロ以上走るなど、距離が伸びたクルマでは時々クラッチが滑り初めて走行不能となることがあった。そんな場合、我々現場のメカニックがやることはA/Tの脱着のみ。あらはじめメーカーからリビルト品の供給を受けておき、それと乗せ替えた後に降ろしたA/Tを送り返すという方法。つまり中身にはノータッチ。トヨタではA/Tの中身を現場で触ることはしなかった。繊細な精密機械ゆえに、現場で分解組み付けを行うべきではないとされており、リビルト対応というスタイルが一般的だった。それでも技術講習は技能試験では構造作動の勉強はしこたま行った。だからA/Tの構造はしっかり頭に入っていた。
講習以外で初めて実際にA/Tのオーバーホールを行ったのはフォルクスワーゲンのディーラーに移ってからのこと。フォルクスワーゲン社のスタンスはトヨタと違い、A/T内部の修理も現場で行う範疇だった。やってみると以外に簡単で、むしろマニュアル・トランスミッション(M/T)よりも楽な作業だった。なぜトヨタでは内部を現場で触らせなかったのだろうと疑問に思ったほどだった。いずれにしてもギヤは4速だった。

ランドローバー9速AT
昨日から引き続きのディスカバリー・スポーツだが、レンジローバー・イヴォークと同じ9速A/Tが採用されている。A/Tの構造を文章で説明するのは非常に難しいので解説なしで進めてしまうが(スミマセン・・・)、構造上は一組のプラネタリーギヤで3速分のギヤ比を作り出すことができる。それなら、プラネタリーギヤを3組直列に配置すれば9速が出来上がると、私は単純にそう考えたのだが、実際には4組のプラネタリーギヤが使われている。そのうちの一組は並列に配置されている。これはスペース効率を考えたものらしい。
もうこうなると分解図を見ても何がなんだか、私には到底理解できない・・・。解析することを諦めたくはないが、きっとこのA/Tを自分で分解するこはない。ランドローバーの場合にもトヨタと同じく内部のパーツ供給はなく、リビルト対応となる。あるいは、A/Tメーカー指定工場でのオーバーホール依頼となる。

そんなわけで内部構造をそこまで詳しく理解する必要がないのではあるが、それでも理解する能力がない自分自身が少し悔しい・・・。