まずは、分かりやすくFR車(フロントエンジン・リヤ駆動車)を例にあげて構造作動の説明から。
シリンダー内の爆発の力でピストンを動かし、その往復運動をコンロッドとクランクシャフトによって回転運動に変える。ここまでがエンジンの仕事。トランスミッション(変速装置)はギヤ比を変えるわけで、回転運動そのものは変わらない。(変わらないと言っても、リバースの場合は逆回転に変わるのだが)
トランスミッションを通過した回転運動はプロペラシャフトを介してデファレンシャルに入力される。そこで前後に走るプロペラシャフトの回転を左右に変換する。左右に分けられた回転力はドライブシャフトに伝わる。
今度はタイヤから。タイヤはハブに取り付けられている。ハブと、先のドライブシャフトが連結されれば、エンジンからの動力は無事にタイヤまで伝わることになる。

ここで実際にディフェンダーに置き換えよう。ディフェンダーの場合、ドライブシャフトとハブを連結させるために「ドライブフランジ」というパーツを使っている。ドライブシャフトとはスプラインで勘合し、ハブとはボルト留めで固定される。
ランドローバー_ドライブシャフト
写真の長い棒がドライブシャフト。手前側先端に付いている五角形のパーツがドライブフランジ。このドライブフランジは、ホイールが付いている状態でも表に出ている。仮にドライブフランジを交換しようとした場合、ホイールを外すことなくドライブフランジを固定している5本のボルトを抜くことで取り外すことも可能。つまり、ランドローバーの場合、そんなふうに必要に応じて簡単に交換することが想定されているのだろう。
ランドローバー

では、なぜ、その必要があるのか。それは永年の走行でスプライン部が摩耗した際にメンテナンスがしやすいようにである。ガタが生じた場合にはドライブフランジを、又はドライブフランジとドライブシャフトの両方を交換する。

今日、ドライブフランジとドライブシャフトの両方を交換したディフェンダーの走行距離はおよそ21万キロ。デファレンシャルのバックラッシュのようなカクンカクンという振動が大きくなり、点検したところドライブシャフトとドライブフランジのスプライン部の摩耗によるガタが原因だった。
ランドローバー_ハブ