何本も掛かったベルトは、やがて過去のものとなった。多くのクルマがエアコンやパワーステアリングが標準装備となったことでエンジンも最初からそのように設計されるようになったのだろう。長〜いベルトが一本でグルグルと取回され、全ての機器を回されるようになっていった。もちろん、それが切れてしまえば、あらゆるものが同時に機能しなくなるのだが、ベルトそのものも進化して寿命がとんでもなく長くなった。ベルトにはバネ仕掛けのオートテンショナーで張力が掛けられているので、メカニックの勘は必要なくなった。
ほぼメンテナンスフリーになっていったのだが、僅かに弊害もある。例えばウォーターポンプのベアリングが弱り始めたときでも、オートテンショナーは容赦なくベルトを強く張り続ける。小さなガタは一気に酷くなる。弱く調整できれば延命も可能だが、それができない。まあ、ベルト関連の整備はトータルでは随分落になっているので、手間やコスト面では十分に納得できるレベルではあるが。
レンジローバー
レンジローバー_ウォーターポンプ
写真は3rdレンジローバーの初期モデル、BMWエンジンのウォーターポンプ。特にレンジローバーだからとか、BMWエンジンだからということはなく、今ではおそらくどのメーカーのどんなエンジンでもガタ発生のリスクはよく似たものだと思う。ガタが出始めると僅かに異音がすることもある。軸のガタによってクーラント漏れが発生することもある。ウォーターポンプのトラブルはオーバーヒートに直結し、走行不能あるいはエンジンに大きなダメージを与えることにもつながるのでとても重要。小さなサインでも見逃さずにまずは点検だ。この車両の場合にはウォーターポンプのガタによって僅かづつクーラントが漏れ、やがて「LOW COOLANT LEVEL」の警告が表示されたことで入庫に至った。