昨年の夏ごろのことだった。年老いた父が、「そうえいば!」とこんなことを話し始めた。
もう四十数年前のこと、私が小学校3〜4年のことだったと思う。通学途中で道端で財布を拾った。帰宅後、祖母と一緒に近くの交番にでかけ、届けた。落とし主は現れず、半年後にその拾得物をもらうことになった。小学生には十分に大金であったそのお金を、私は父に預けた。父は当時名古屋市内の会社に勤めており、その近くの銀行でそっくりそのまま定期預金に預けたのであった。私はそれを聞かされていなかったのだが。
その出来事を、昨年の夏に父が思い出したのだが、通帳も印鑑もどこにあるのやら全く記憶がないらしい・・・。おまけに、どこの銀行かも定かではない。「会社の近くの、たぶん『東海(銀行)』だったと思うけどなあ・・・」と。(※東海銀行→現在の三菱東京UFJ銀行)

何故、昨年の夏に父がそれを思い出したか、それには伏線があった。その少し前、自宅に父宛てに三菱東京UFJ銀行のとある支店からからこんなような封書が届いた。「定期預金満期通知中止のお知らせ」。つまり、今後は定期預金が満期になってもお知らせしませんよ、という内容の文書であった。それを父に伝えたのだが、父はその支店に定期預金があることを知らなかった。というか忘れていたのだろう。「それはともかく、お前が小学生のころに拾ったあのお金の預金が、当時の会社の近くの銀行にあるはずだ!」と記憶が連鎖し始めたのだった。


長くなりそうなので、続きはまた明日。