私が自動車整備に携わるようになったのは1990年のこと。トヨタ車のディーラーに勤めていたのだが、当時のトヨタ車は車種によってはまだクーラーがオプション扱いだった。もっとも名古屋地区でクーラーを装着されないクルマは私はほとんど見ることはなかったが、きっと北海道など夏でもそれほど暑くない地域ではクーラーをオプション装着されないケースもあったのではないかと思う。まだそんな時代だった。
今日からしばらくはクーラーについてのお話を。クーラーの話はきっと長くなると思うので。

まず、「エアコン」の定義について。自動車に限ったことではないが、空調は大きくクーラーとヒーターに分けられる。名のごとく、冷やすためのシステムと温めるためのシステム。クーラーは単に冷やすだけではなく、除湿の効果もある。それらをうまく組み合わせると、除湿された温かい風を作り上げることもできる。それがエアコンだと私は理解している。あるいは、「今、クーラーが働いているのか、あるいはヒーターが働いているのか?」それはクルマ側にお任せして、ただ希望する適正温度や湿度の風を出してくれればよい!そんな合理的なシステムと考えてもよいだろう。最近ではオートエアコンが主流で、目標温度を設定することであとはクルマが勝手にやってくれる、エアコンとはすっかりそんなものになっている。
ただ、構造的には、内部は必ずクーラー部分とヒーター部分で構成されているのである。そして今回取り上げるのは季節柄「クーラー」についてである。

まず、(超)簡単にクーラーのシステムを表したものを見ていただこう。
レイブリック加藤ブログ
私が「クーラーの要」と考えるのは図の右上にあるエキスパンションバルブである。息を吐くとき、口を大きく開けて"は〜"とやれば体温に近い暖かい風となる。冬場に凍えた手に吹きかけるときはそうするだろう。逆に、涼しい風にするときは唇をすぼめて小さな口にして勢いよく"フ〜"と吹く。口を小さくすればするほど、また勢いよく吹くほど涼しい風になる。これがクーラーの原理であり、その役割を担っているのがエキスパンションバルブである。
あるいは、最近街中でも時々見かけるようになったが、ミストなんかも同じ原理である。あれはそもそも冷たい水を噴射しているのではなく、小さい口から噴射されることで水が解き放たれて霧状となって冷えているのである。

やはり、クーラーの話は長くなりそうだ・・・。続きはまた明日。