方々の銀行に点在していた父の休眠口座の発掘はひと段落した。孫(ウチの息子)たちにクルマでも買ってやれるぐらいの大金がどこかから出てこないものかと期待もしたが、まあ我が家に限ってそんなことはあるがずはない。(笑)

今日はもう一件、別の休眠口座についての話題を。もしかしたら読者のみなさまにも参考になることがあるかもしれないので紹介しようと思う。

私の母は16年前に亡くなった。一年以上の闘病生活があったので、母の生命保険や預金類は治療費や入院費捻出のために生前に総ざらえをした。しかし母が亡くなった直後に、更に一冊の預金通帳が見つかった。自宅の近くにはあまりない信用金庫で、最も近い支店でも自宅の隣町になり、通帳発行もその支店のものだった。預金残高は1,000円そこそこだった。利用の推移を見てもそれほど大きな金額の入出金はなかった。仮に未記帳分があったとしても少額だろうことは想像できた。義理かお付き合いか、それほど使うつもりもないけどとりあえず作った、そんな口座に思えた。
しかし念のために私は支店に問い合わせをしてしてみた。亡くなった母の代わりに口座の解約をするためには、そんな内容を尋ねた。回答は、「法定相続人全員の戸籍謄本や印鑑証明を揃えていただいて・・・」などと、やはりかなり面倒そうなものだった。私は、ざっくばらんに聞いてみた。「ところで、残高はどれぐらいですか?」。電話で答えてもらえる内容ではないことは重々承知のうえ。それでも、「戸籍謄本や印鑑証明を人数分揃えて、遠方に住んでいる家族から送ってもらって、そんなことだけで数千円も掛かると思います。それを上回るだけの残高がなければやるだけ勿体ないですが、実際のところどうなんですか?」と。まあ、そういう時代だったのだろう、今ではこんなこと電話で回答してくれる金融機関はないと思うが、「正直、残高はそこまでないです」と答えてくれた。
それ以来、この口座については頭から消え去っていた。

母が亡くなった後、父は実家で一人暮らしをしていた。父の身体がだんだんと不自由になってきたことで私も実家へ行くことが増えた。ある日、母宛ての郵便物を見つけた。例の信用金庫からのものだった。封を開けると「配当通知書」というものだった。そうか、信用金庫は取引開始時に出資金を募るのだ。それは忘れていた。通知書によれば、母は信用金庫に10,000円の出資をしており、その配当金が年に数百円ついている。これが毎年のことなので、16年前に1,000円ぐらいだった残高も7~8千円にまで増えているはず。しかも出資金の10,000円もあるし、それなら頑張って解約をする価値はあるかも。
私は再び支店に問い合わせをした。そして解約の方法を細かく教えてもらった。
結論からいうと、16年前のルールと変わらないと思うが、母の除籍謄本と法定相続人全員(ウチの場合は父と私を含めた姉弟3人の合計4人)の戸籍謄本と印鑑証明を取得し、所定の書類に自書でサインを記入。公的証明書の取得手数料と送料などでざっと数千円の費用が掛かった。手間もそこそこ掛かった。もっとも大変だったのは母に関する書類。出生から死亡までが全て繋がる謄本が必要であり、母が加藤家に嫁ぐ前の本籍地の役所に出向いて、出生から婚姻による除籍までの謄本を取得する必要もあった。
そんなこんなで、家族の協力のもとで書類を整え、無事に口座を解約することができたのであった。

たいせつなお金が家族や遺族に渡ることなく迷宮入りしてしまうとはなんとも勿体なく、渡せなかった側からすればとても無念なことだと思う。私も子供らに迷惑をかけないように、老後はできるだけお金を使い切って!笑、いや、僅かな遺産も分かりやすく整理をしておくように準備しておこうと思う。