本日、2017年9月13日付けをもって、私は株式会社レイブリックの代表取締役社長を退任することにいたしました。

レイブリックは、昨年、創業20周年を迎えました。節目の年、私はまずこれまでの事を振り返りました。ひとりではとても無力な私が20年という長い間社長を務めてこられたのも、才能あるスタッフが絶えまぬ努力を重ね続けて会社を盛り上げてきたからにほかなりません。どんな時もチームとしての調和を心掛け、それぞれの職務に集中する様には、年を重ねるごとに逞しさを感じてきました。スタッフのみなさんには大変感謝しています。心から、ありがとうございました。

そして、節目の年にもうひとつ考えていたこと、それは心配事なのですが、レイブリックの今後のことでした。レイブリックのスタッフの年齢は、52歳の私を中心に50歳前後に集中しています。7年前に入社した大越智スタッフだけが飛びぬけて若いですが、それでも現在40歳です。スタッフはみな優秀です。体が健康なうちは事業を営むうえで何の心配もありません。しかしそれは永遠ではありません。近い将来、必ずそのバランスは崩れていきます。

若手の育成を、長くレイブリックの重要課題として考えてきました。その過程で何人もの若者を社員として招きましたが、私の指導力が足りず、次世代を担う戦力に育つことなく会社を去っていきました。このままではレイブリックはスタッフの体力と共に衰退していってしまう、そんな懸念が重くのしかかっていました。
更に多くの葛藤がありました。仮にこのまま、企業の若返りができないままに年月を重ねた場合、徐々にレイブリックのパフォーマンスは落ち、それが処理能力なのかクォリティーなのかはともかく、お客さまの期待に応えられなくなる時が必ず訪れます。その辛い状況をどんな形で受け入れるのか、あるいは受け入れることなく、サービス低下に限界を感じた時点で事業に終止符をうつのか。苦渋の決断をしなければなりません。そしていずれの方法を選んだとしても、それはスタッフにとってもお客さまにとっても決して望んでいない結末です。

俯いていては何も解決しません。会社が無事に20年間存続してこられ、そして30年へと向かうにあたり、私はこれからの10年間で必ず世代交代を完遂させ、会社を若返らせようと思いました。そして、これまでの若手の育成という方法とは大きく異なる方法を模索し始めました。事柄の性質上、そのほとんどは水面下での活動となりました。会社の統合や合併など、一見平穏な現状に敢えて大きな波を起こす方法です。個々の若手を育てるのではなく、年老い始めたレイブリックに丸ごと変化を与える、固着している環境をそんなふうに大胆に変えていけないものかと考えたのです。

そんな活動の中で、私は平野さんという、若く優秀な経営者に出会いました。私にできなかった会社の若返り策や、更なる発展に向かう新たな取り組みを、この人ならきっと成し遂げてくれる、そんな期待を抱かずにはいられないほどの才能とエネルギーを感じました。もちろんランドローバーをはじめ、クルマと、クルマを愛するオーナーさまをとても大切に考えてくれる人です。時間をかけ、丁寧にディスカションを重ね、やがて平野さんは私に代わってレイブリックを引き継いでくれる旨の力強い返事をくれたのでした。

それから私はそれらの経緯と今後の体制についてスタッフに説明をしました。突然の展開に戸惑いを表したスタッフもいました。しかし、レイブリックの将来を見据えるなら、今、大きく舵をきる必要がある。そのために平野さんの力を借りようと考えた、そう伝えました。そして、そのことの意味をスタッフのみなさんにはしっかり解ってもらえたと思います。暗い闇の中だったレイブリックの将来に、確かな目印となる明るい光が射した瞬間でした。



営業の真野くんは1996年の開業メンバーであり、まさにレイブリックの大黒柱です。1998年に入社した宮原くんは私の元で整備のイロハを覚えはじめ、あっと言う間に私を追い越してすっかり一人前のサービスマンに育っています。メカニックとしてのスキルもとても高く、ましてランドローバーのスペシャリストであり、私よりも年上のメカニックの溝口さん。その技術とセンスなしでは現在のレイブリッククォリティーは絶対に完成しませんでした。大越智くんは2010年に入社し、若手で唯一定着してくれて明るく頑張っています。業務の女性スタッフの石黒さんは平日昼間限定のパート職ですが、レイブリックで18年のベテランです。家事や育児で大変な時であっても、いつも集中して仕事に取り組んでくれています。
スタッフのみなさんは今後は平野社長の陣頭指揮の元で更に活躍してくれると信じています。そして、徐々に若いスタッフが仲間入りして活気が増し、会社が若返ることで、末永くお客さまへのサポートが続けられることは創業者としてとても嬉しいことです。

社長としての私の役割は今日で終わりますが、あとしばらくは世話役としてレイブリックに籍を置かせてもらえることになりました。共に頑張ってきたスタッフや、これから力を注いでくれる平野社長や若いスタッフのみなさん、レイブリックのクオリティーを支えてくださっている取引業者さま、そして私たちをここまで育ててくださった多くのお客さまの近くで、限りある時間を大切に過ごしていきたいと思います。

社長としてのメッセージはこれで最後となります。21年を振り返り、今、思いつく限りの大勢のみなさまの顔を思い浮かべています。これまで本当にありがとうございました。10年先も20年先も、それ以上先のレイブリックもどうぞよろしくお願いいたします。