私は学校を卒業後にトヨタディーラーに入社した。そこで整備の基本を学び、数年後にドイツ車を取り扱う拠点に異動になった。1992年のことだった。初めて左ハンドル車も触るようになり、「自動車=右ハンドル」を、「その国の自動車は基本的に左ハンドル」という感覚に意識改革をする必要があった。世界的には左ハンドルの国のほうが圧倒的に多い。当時は、車種によってはわざわざ右ハンドル仕様が用意されていないものもまだまだ数多くあった。右ハンドル仕様があったとしても、ちょっと強引な右ハンドル化が施されている車種もあったほど。

1995年に、私はランドローバーを取り扱うディーラーに転職した。ランドローバーはイギリス車なのでベースが右ハンドル。感覚的にも肉体的にも、ものすごく自然に馴染んだ。「ガイシャ」という、独特な緊張感を抱くこともなかった。もちろん、ランドローバーの存在そのものは雲の上のモノだったが。
ランドローバー車の整備に携わるようになって最初に感じたこと、それは随所に左右両ハンドル車を作ることを前提としたパーツ設計がされていること。イギリスは右ハンドルだが、ドーバー海峡を渡ればヨーロッパ全土はほとんど左ハンドルの国。もちろん、重要なマーケットである北米もそう。自国が右ハンドルだからといって、左ハンドル車を尊重する必要があることは明らかだ。
だからだろうが、右ハンドルと左ハンドル、どちらにも使えるようなパーツ設計がされているところが数多く目についた。

クラシックレンジローバーのシフトレバーパネルもそう。シフトポジションを示す表示が左右にある。しかもその両方に照明用バルブが入っている。バンデンプラのこの部分のバルブが片方切れたのだが、右ハンドルを運転する私としては右側だけ点灯していれば操作上は差し支えない。それでも本来点いているものが切れたままというのは、どうも気持ちが悪い・・・。
ということでバルブ交換。このバルブ、切れた方だけを交換しても、やはり直にもう片方も切れる。だいたい寿命は同じなのだろう。だから私は、片方切れたタイミングで両方のバルブを同時に新品交換するようにしている。気持ちの問題だが、とてもスッキリ!
レンジローバー