1996年にレイブリックが開業した頃、クラシック・レンジローバーやディスカバリー・シリーズ1が現役の時代だったのだが、当時は「ランドローバーのウィークポイントは?」と訊ねられると、私は開き直るかのように「あらゆるところです!」と答えていた。 油を差せば止まる異音などは全くとるに足らないことに思えるほどで、今回の事例もまさにそんな些細なことであった。

運転操作でハンドルを回せば前輪が左右に切れる。そのためのステアリングシャフトは、室内側からエンジンルームに貫通しているのだが、その境目はゴム製のシールで隔てられている。そのゴム質がしなやかでないからなのか、シャフトの回転で擦れることで「クークー」と音が出ることがある。というか、当時のランドローバーは、ハンドルを回せばほぼ例外なく「クークー」と鳴っていた。もちろん、この音は大きなトラブルに繋がることではないのだが、ユーザーさんからすれば聞きなれない音がし始めて、それがだんだんと大きくなれば「このまま乗ってて大丈夫かな」と心配になって当たり前。
この場合、シールの摺動部分に潤滑材を注油してやることで音は簡単に収まる。もちろん、油が切れればまた音は出る。それを定期的に繰り返せばよい。昔のクルマはそういうものだった。

因みに、このシール部分だが、後に音の対策がされたとされるパーツがメーカーから供給された。しかし、交換のためにはステアリングシャフトを取り外すという、小さな部品を取り替える割にはまあまあ大掛かりな作業となり、ユーザーさんにとっては当然費用も掛かることで私自身はその作業を行った経験はない。

さて、私のバンデンプラもクークーと音がし始めたのでさっそく潤滑材をスプレーした。これで静かになった。

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