LAND COMFORT 加藤ブログ

ランドローバーを運転していると時間がゆっくり流れているように感じます。

ランドローバーを運転すること、ランドローバーのある生活、ランドローバーと過ごす時間、それらは全てとても心地良いこと。
「LAND COMFORT」とは、そんなことを考えながら出来上がった言葉です。

カテゴリ:レンジローバー > Bespoke-1

このプロジェクトはオーナーさまの熱意から始まった。そして製作を引き受けたオートクラフトだったのだが、プランニングの段階で、これは只事ではないという緊張感が押し寄せてきた。もしオーナーさまのご意向を全て盛り込んだとしたら、このレンジローバーはとんでもない一台になるだろうと。そして打ち合わせを繰り返し、それが現実味を帯びてきたときには我々は腹をくくった。妥協は許されない!そして、最も気合いが入っていたのはオートクラフト会長の大橋だったことは間違いないだろう。「人生の集大成といえる一台を作る」という意気込みが私たちにも伝わってきた。
制作期間が予定より大幅の遅れたのは事実だが、ようやく、ようやくこのレンジローバーをオーナーさまにお届けする日がやってきた。実際には一ヶ月ほど前には完成していた。しかし、オーナーさまのご厚意で、ご自身と奥さま、そして大橋と私の予定が全て合う日を見計らってくれたのだ。みんなで意見を出し合って作ったクルマだから!と。そのために、一週間、また一週間と日程が伸びていった。納車の日程を遅らしていたのは、そう、私だった・・。
そして、今日がその納車の日となった。本当にお待たせいたしました。実際ここまで手を入れたクラシック・レンジローバーを、これまで私は見たことがない。もちろん作ったこともなく、このプロジェクトのリーダーを務めた大橋も人生で最初で最後の渾身の一台だと認めている。
ボディーは内外装共に、機関部分に関しても、エンジン、オートマチックトランスミッション、ブレーキ、サスペンション、マフラーに手を加えた。クーラーもヒーターもリフレッシュした。このクルマで触っていないネジは数えられるほど!そう言っても決して大袈裟な表現ではない。完成したレンジローバーを見たオーナーさまに、「待った甲斐があった!」と仰っていただけたことで随分救われた気分になった。

製作に携わった我々としては今日がプロジェクトのフィナーレとなったわけだが、この作品をオーダーしてくださったオーナーさまにとっては今日がレンジローバーとの生活のスタートなのである。我々とは、このレンジローバーを通じた新たなお付き合いが始まったのだ。末永くどうぞよろしくお願いいたします。

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一昨年の秋からオートクラフトで製作に取り掛かった渾身のクラシック・レンジローバー。いよいよ内装など細部の仕上げ段階に入った。オーナーさまのご意向があり、それにチャレンジする製作担当の大橋、共に高みを見つめながらここまでやってきた。本当に、本当にもうひといき。この仕事が済んだらそれっきり大橋のメカニック魂も抜けてしまうのではないかと思うほど集中する日々が続いている。
内装のレザー部分は専門の革職人に依頼したものだが、ウッドパーツの再生は大橋の手によるもの。内装のウッドやレザーのあしらえ方も英国車の伝統技術のひとつ。クラシック・レンジローバーにとっても重要な要素となる。
写真はそのスペシャルパーツの一部。贅沢という言葉がとてもよく似合う。

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クラシック_レンジローバー
ほぼフルレストアのクラシック・レンジローバー、今日はエンジン回りの細部のチェックとクーラーガスの充填、そして新規検査(車検)に取りかかった。来週のシェイクダウンに向けて順調に進んでいる。
残す作業のうち、最も大きいものはインテリアのウッドの作製。これは大橋会長が福島の秘密基地、木工加工施設で進める。そのための移動はテスト走行を兼ねて会長自らが自走で行なう予定。ワンオフで作製したアルミラジエターや、オートマチックトランスミッション用の空冷オイルクーラーの効果もテストできる。もちろん、エンジンその他オーバーホール済みの機関部分の慣らし運転も兼ねている。不具合箇所が出ないことが望ましいが、どうせ出るならオーナーさまに渡る前のこの機会に是非現れてほしい。
それにしても美しいエンジンルームである。今後、これを凌駕できるエンジンルームに出会えるだろうか。これはオートクラフト会長の大橋による作品であり、おそらく自身でも生涯最高の一台だろう。このレンジローバーを見ていると、私の中からも静かにそして沸々とクラシック・レンジローバー熱が沸いてくる。やがて一台のレンジローバーにじっくり向き合える時間的な余裕を必ず作ろうと思う。今はエネルギー充填期間だと思って日々の仕事を頑張ろう!

曲にしよう。今日の東京FMは桑田圭祐Dayだった。今日、桑田さんのベストアルバムが発売されたからである。アルバムに収録されている曲目は知らなかったが、今日FMを聴いていて、え?この曲が入るの?と、一瞬耳を疑った。
1986年と87年の2年だけクリスマスイブに放映された音楽番組、「Merry X'mas Show」のために書き下ろされた曲で、作詞松任谷由実、作曲桑田圭祐という奇跡的な楽曲。放送中にも司会のさんまさんによって、この曲がCD化されないことが公言されていた。私自身とても気に入った曲なのだが、それを聴く手立てといえばVHSで録画したビデオを観ることしかなく、やがて家庭にVHSビデオデッキがなくなってからは記憶の中だけの名曲となった。あげくには、アコースティックギター片手に自分で弾き語ることでその寂しさを凌いでいたほど。その後YouTubeで観られるようになってからは、もう何百回観たか分からない。

夏なのにクリスマスソング?でも、実際今日FMでもオンエアされていたし・・。今夜はその幻の名曲を。
桑田圭祐さんで、「Kissin' Christmas −クリスマスだからじゃない−」。

この曲、番組では参加アーティストが順番に歌った。しかし、その後、時々ゲリラ的にラジオから流れるバージョンはおそらく桑田さんとユーミンさんのデュエットだった。これも僅かな記憶だが、学生時代に愛知県体育館で観たKUWATA BANDのライブの会場内でオケで流れたような気がする。それは桑田さんオンリー(KUWATA BAND?)のバージョンだったと思う。
そして、今回ベストアルバムも桑田さん単独バージョン。そこで私はささやかな期待を抱いたのだが、今年デビュー40周年を迎えた松任谷由実さんもこの曲を単独でリリースしないものかと。

レンジローバー_クラシック
そう、このプロジェクトはオートクラフトでまだ静かに続いていた。将棋の長考のように、次の一手を打つまでにしばらく作業が停滞している期間も確かにあった。そんな状況から、ついに詰めの段階に入ったと言える。
シャシからボディーシェルを取り外したわけではないので「フルレストア」とは呼び難いが、それでも、見える部分はもちろん、エンジンやオートマチックトランスミッションのオーバーホールなど、内部の目に見えないにまで手を加えていることを考慮すると「ほぼフルレストア」と呼んでも許されるのではないだろうか。
ほぼフルレストアのクラシック・レンジローバーも来週には車検を取得して公道に出る予定。駆動系をはじめ、各装備類の機能をトータルでチェックするにはやはり実際に走るのが一番良い。工場内でアイドリングさせている分には何も起きないが、例えば高速走行時に初めて分かる違和感のようなものがあるかもしれない。加速時など高負荷時にしか現れない症状を含んでいるかもしれない。まずはエンジンの慣らしを兼ねてオートクラフトの周辺から、そして徐々に速度を高め、負荷を加えて実走行に近づけていくつもり。

このクラシック・レンジローバーにはオーナーさまはいらっしゃるのだが、もし仮に自分のクルマとしてこんなふうにレンジローバーを仕上げたなら、そしてシェイクダウンの時にはどんな音楽を連れて出るだろう?慣らし運転をしたいので気が焦らないようにゆっくりしたペースの音楽がいいかな。いや、でも今後を占う意味で元気良くアップテンポの音楽がいいかな?それとも、レンジローバーが発する、例えばエンジン音や走行音をBGMにしたくなる気もする。テスト走行でもあるわけなのでノイズなどに敏感になることも必要だし。
それでも、ある一定の段階をクリアしたときにはカーオーディオのスイッチをオンにする時が必ずやっている。今夜はその瞬間をイメージして選んだこの曲を。ザ・ビートルズで、「Drive My Car」。

IMG_2945オートクラフトで製作中のクラシック・レンジローバーに特注アルミラジエターが装着された。少し大き目のサイズであることを含め、このラジエターは会長の大橋のプロデュースによるもの。どうやら、大橋は特注アルミラジエターが好きなようで、私がオートクラフトに来て2年足らずの間にも3rdレンジローバーやMG−RV8で特注ラジエターを作ってきた。(作るといっても、実際に作るのはあラジエター専門業者なのだが)

今回のクラシック・レンジローバーに関しては、細部までバランス取りを行い、メカニカル・ライトチューンが施されたエンジンが搭載されている。エンジンのポテンシャルはきっと上がっている。そこで、それに追随する高性能ラジエターが必要だと考えたのだろう。
あと、もうひとつの要因があるとすれば、せっかく奇麗になったエンジンルームだから、アルミ製の格好いいラジエターを納めたい!という拘りだろう。

いよいよ完成が見えてきた!・・・かな?


DSC_2927全く話は変わるが、最近知って「へえ!へえ!へえ!」と思ったことを紹介しよう。
ここは私が住む品川のマンションのキッチン。水道の蛇口はレバー式。最近はクルクル回すタイプよりもこのようなレバー式のほうが多いかも。
さて、このレバー、水を出すためには押し下げるのか持ち上げるのか?みなさんはご存知だろうか?私は、そう質問されたとき、「メーカーによって違うのでは?」と思った。もちろん、それも正解のひとつかもしれないが、実は現在では通産省の通達の元、各メーカー統一されているそうだ。
どう統一されているかというと、「水を出すためにはレバーを持ち上げる」である。
1995年の阪神淡路大震災の時、キッチンで周辺の物が倒れ蛇口レバーを押し下げた。押し下げて水が出るタイプでは、つまり水が出っぱなしになったのだ。物が倒れたら、逆に止まるようにしなければならない、ということで、現在では「下げると水が止まる・出すときは引き上げる」という形に統一されたそうだ。
この話を聞いたのは数ヶ月前だったかな。それ以来、レバーに触れるたびに地震を連想するようになった。もうすぐ東日本大震災から一年が経とうとしている。首都圏では直下型震度7の地震の可能性までささやかれている。しかし、こればかりは祈るしかない。どうか大切なものをできるだけ失わずに済みますように。

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前回の更新から既に4ヶ月が経過。オートクラフトで製作中、正確にはオートクラフト会長の大橋によって製作中のクラシック・レンジローバーと言うべきかも、おそらく、自身もここまで拘っているレンジローバーはないだろう。私も見たことがない。
昨年秋から、年末年始にかけ、大橋は首を痛めていた。とても仕事に集中することができないほどの時もあり、この数ヶ月作業は停滞していた。このレンジローバーの完成を待ってくださっているユーザーさんのためにも、たとえ少しづつでも作業を進めなければと思い、私が他のメカニックに作業を指示したこともあったが、大橋が「これはオレがやる」と譲らない。
2月に入り、作業を再開。徐々にペースを取り戻すも、大橋がこのレンジローバーと向かい合ったとたん、完全にオリジナルの時間が流れ始める。タペットカバーの汚れを落とし始めたと思いきや、バフ掛けを始め、ほぼ丸一日かけてご覧の状態にまで磨き上げてしまった。もう、この世界には誰も入り込めない、そんな空気が広がっている。

この企画がスタートして既に1年4ヶ月、ようやくエンジンが形になってきた。ピストン、コンロッドの重量を合わせ、クランクシャフトの回転バランス取りまで行ったこのエンジン。私自身、早くその実力を確かめてみたい。大橋に程よくプレッシャーを与えながら、それでも焦らず見守ろう。

IMG_1615オートクラフトで製作中のクラシック・レンジローバーに、遂にエンジンが載った。というか、私が留守の間に載っていた。エンジンの補機類をどんどん組み付けていって早くエンジンを掛けたいところだが、当初の予定以上に細かな部分までキレイに仕上げ初めているので、取り外してあった補機類をそのまま取り付けていくわけにはいかなくなっている。あるものは錆を落として塗装をし、あるいはバフ掛けをしてから。
と、つまり作業が一気に進んでいかない言い訳にもなってしまうのだが、せっかくここまで来たので妥協をせずに組み上げる以外に方法はない。

レンジローバーこのクラシック・レンジローバー、ブログでは専用バナーを設けて気合満々の企画なのだが、とにかく進行は予定よりもずいぶん遅れてしまっている・・・。
このクラシック製作は会長の大橋が中心になって行われており、周辺はすっかり聖域に入っている。今回、私は一週間以上オートクラフトを空けた。久しぶりに見た光景はオーバーホールが完了したエンジンがチェーンブロックに吊り下げられ、搭載準備が整っているところ。「いよいよ積みますか!」と会長に声を掛けると、「せっかくだから、その前にバッテリーのハーネスを引きなおしておこうかな!」、と。
エンジンを積んでしまったら作業が厄介になりそうなことが思い浮かぶと、それを済ませないわけにはいかない。もう何ヶ月も前から、時間を作っては細かなブラケットやボルト類まで丁寧に磨いては組み付ける作業が続けられている。手が空いているメカニックが勝手に部品を組み付けることなど、到底できない雰囲気になっている。
そんな具合で、すっかりペースダウンしてしまった製作作業だが、それでも着実に進んでおり、ようやく来週にはエンジンが積まれてクルマらしくなる予定。

DSC_0047オートクラフトで製作中のクラシック・レンジローバーは、現在エンジンのオーバーホール作業中。分解して磨耗がひどいパーツを交換するのはオーバーホールの基本作業であり、今回は各部のバランス取りも行っている。クランクシャフトのバランスは内燃機屋に依頼した。クランクを専用の機械にセットして回転させ、アンバランスを測定し、バランスウェイト部分を削って調整する。例えば、ホイールバランス同様、専用の機械がないとできない作業である。
回転のバランスと、8気筒の各パーツの重量合わせを行うこと、オーバーホールと同時にこれらの作業を行うことで新品エンジン以上の性能を引き出すことが期待できる。

レンジローバー_オートクラフトrangerover_autocraft
このプランをスタートさせたのっていつだったっけ?納期に関しては、お客さまもかなり大目に見てくださっているが、作業を担当している大橋会長が完全に「ゾーン」に入ってしまった。
大橋本人も、ここまで拘ったクルマ作りをしたことはきっとないだろう。レストアを進めているクラシック・レンジローバーなのだが、エンジンルームのボルト一本にまで拘りだした。ボルト&ナットは全て新品を使い補機類の組み付けを行っている。更に、ワイヤハーネスは、コルゲートチューブを剥いて、配線を取り出し、点検清掃をして再びチューブに戻すという手の込みよう。
オーナーさまにとって生涯最高のレンジローバーを作りあげる作業を請け負っているのだが、現状ではオートクラフトの大橋にとって人生最高の作品づくりになっているようである。首を長く待ってくださっているオーナーさまには申し訳ないが、時間をたっぷりかけて徐々に出来上がってゆく様を見ていると、私自身も羨ましく感じるほど。いつか、私もこんなクラシック・レンジローバーのオーナーになりたい。

レンジローバー_クラシックペースは遅いが、オートクラフトで一歩づつ一歩づつ作り上げられているクラシック・レンジローバー。内装のコーディネイトは薄いベージュと決して鮮やかではないワインレッド。シートもその二色のコンビネーション。今回、そのシートに合わせるようにドアトリムを製作した。トリムを分解し、本体はベージュに塗装。元々布地が貼られている部分にワインレッドのレザーをあしらえた。こうして個々のパーツが徐々に出来上がり、やがて一気に組み上げる時がくる。内装では、ダッシュボードとセンターコンソルが未だ革職人の元から返ってきていない。機関部分では、エンジンが目下オーバーホール中。計画では、もうすっかり出来上がっていたはずなのに・・・。
作業を進めながら、ついつい欲が出て奥深い部分へ手が入って行き、予定がどんどん後にズレていく。オーナーさまの「欲」もあるし、ひとつの作品に向かう我々の「欲」も出てくる。早く仕上げたい気持ちよりも、今は妥協したくない気持ちのほうが強くなっているかも。

landrover_rangeroverもしかしたらクラシック・レンジローバーのステアリングホイールのレザー張替えを行ったのは初めてかも。これまで。レンジローバー・スポーツやディスカバリー・シリーズ2そしてシリーズ3は何度か行ったことがある。
今回、レザーの張替えを行ったクラシック・レンジローバーは1991年モデル。走行距離は14万キロを越えている。事前に写真を撮っておかなかったのは失敗だったが、レンジローバーのレザーがいくら丈夫とはいえ、さすがに表面が擦れてきたりステッチが解れてきたりしていた。
これが完成したステアリングホイール。色を変えたり、パンチングレザーを使用したり、張替えの際には個性を表現することができる。しかし、今回はオリジナルに忠実に、レザーのカラーも元色を再現した。車齢からすれば、実に20年ぶりのリフレッシュ。
運転中は絶えず手で触れ、視界のどこかに入り続けるステアリングホイール。ここが気持ちよくなると、運転そのものが楽しくなる。10年、20年に一度の数万円の費用対効果はかなり大きい!

1993年までのクラシック・レンジローバーのアルミホイールのディスク面はボディーカラーと同じに塗装されている。ボディーを色替えで全塗装する際には、ホイールのコーディネイトも重要なポイント。ボーディー色に合わせるか、あるいは、あえて別の色で挑むか。
写真はオートクラフトで製作中のクラシック・レンジローバーのホイール。今回はオーナーさまのご希望でボディー色に合わせることにした。ボディー色とは、89年当時の純正カラーの「イーストノア・グリーン」。92年まで存在した色なのだが、日本への正規輸入車には採用されていなかったソリッドカラー。少し草色っぽいグリーンである。

塗装に当たって、当然のことながらリム傷も修正する。アルミパテで修正し、下地処理から始める塗装工程をダイジェストで。

レンジローバー・ホイール1
下地処理

レンジローバー・ホイール2
イーストノア・グリーンに塗装

レンジローバー・ホイール3
リム部分だけをスパークル・シルバーに塗装して完成

光の都合で下の2枚の写真のグリーンの色合いが違って見えるが、3枚目の写真が実物に近いかな。一言で「何色」と言えないような絶妙なカラーがランドローバーにはとてもよく似合うと私は思う。

bespoke1bespoke2
いよいよ塗装ブースに入ったクラシック・レンジローバー。ボンネット、ドア、クォーターなどの各パネル類は個別に塗装。あえてクォーターパネルを取り外したのは、トランク内への水の浸入防止のシーラー処理を行ったことと、普段は触ることができないインナーパネルの錆対策が目的。まずこの部分に関しては、新車時のクォリティーよりも間違いなく向上しているだろう。

CA3H1020製作中のクラシック・レンジローバーの様子。エンジンルームの補機類が取り外され、マスキングも完了。いよいよ新たな塗装が吹き付けられる。
これまで、何台ものクラシック・レンジローバーの全塗装を見てきたが、ここまでの作業を行ったのは初めて。実際、ここにたどり着くまでには様々なパーツの取り外し作業が伴う。エンジンが降ろされていることが前提ではあるが、その他の大きな部分では、ラジエター、クーラー・コンデンサー、ステアリング・シャフト、ABSユニット、ブレーキパイプ、ショックアブソーバーなどなど。
ここまで分解すると復元も大変だが、その分我々の楽しみは増し、きっとお客さまの満足感は大きくなるはず。

CA3H0996今朝、早起きして向かった先は三重県の鈴鹿サーキット。知人のショップが主催するサーキット走行会に、私の友人も何人か参加するということで、助手席に乗せていってもらって見学に出かけてきた。自分が走らないのに鈴鹿サーキットに出かけるなんて精神衛生上よくないなあ・・。サーキットに到着し、この雰囲気を見たらさすがに魂が疼いたがどうしようもない。
この6月以降、仕事に集中するために、サーキット走行という贅沢でリスキーな遊びをひとつ封印したのだ。私なりのちょっとしたケジメである。ま、つまり、またいつか解禁される日がやってくるのだろうが、その時期はいまのところ未定。自分の判断で解禁日は訪れる。 ・・・はず。きっと・・・。

友人全員が事故も無く、無事に走行を終えたあとは、昼食をしながらドライビング談義で楽しんだ。

CA3H1001その後、新幹線で東京へ向かった。といってもオートクラフトに到着したのは既にすっかり暗くなってからだった。各サービススタッフが担当している作業中の様子を確認。製作中のクラシック・レンジローバーもその一台。
エンジンルーム内ホイールハウスも塗装するので周辺の補機類を取り外しているところ。鉄棒のような治具を作り、各パーツを取り外しながら、しかし配線やホースが繋がっているものはとりあえずその鉄棒に括りつけておく。そうすることで塗装のあとの復元も簡単になる。
新たな塗装が吹き付けられるまで、あと少しのところまでやってきた。


曲にしよう。
封印されたサーキット走行。幸い日々忙しく、その欲求を上手に仕舞いこんでいたつもりなのに、鈴鹿のピットに立った瞬間我慢していたものが飛び出してしまいそうな衝動に駆られた。
そんな気持ちとオーバーラップするような曲がある。

 「あきらめよ」と諭す回路に 君がそっと浸入してきて
 何食わぬ顔で夢をちらつかす
 上手に包んで仕舞ったものが「飛び出したい」と疼いている
 痛い記憶を最後に寝たふりしていたくせに

今夜は、Mr.Childrenで「CANDY」。
 

クラシック・レンジローバーのリフレッシュを行うにあたり、パーツの供給終了でネックになるもののひとつにフロアカーペットがある。リフレッシュの模様をブログで紹介していると、時々お客さまから「カーペットはどうしてる?」と聞かれる。現実的にはどうもしておらず、つまり、これまでは交換したことがなかった。
現在、オートクラフトでレストアを進めているクラシック・レンジローバーも、実際のところカーペットをどうするのかは具体的に決めていなかった。しかし、もはや「やるしかない」状態。クルマごと自動車内装業者に預ければきっとなんとかしてくれるだろう。しかし、私は、できることならキットで販売したいと考えている。我々のようなショップにお越しいただく機会のない、遠方のユーザーさんにも使っていただけるよう、商品にしたいからだ。
そこで、レイブリックが長年お願いしている内装業者さんに相談し、このコンセプトを説明した。一台目は実車で寸法を合わせる必要があるかもしれないが、最初の作品を作る際に型をとり、次からはカーペットの色だけを指定すれば済むようにできればベスト。

レンジローバーのフロアカーペット製作計画そこで、さっそくレイブリックにある在庫車両の一台の内装をバラバラにし、カーペットだけを取り出した。これを職人さんに渡して型取りを行してもらう。クラシック・レンジローバーのカーペットの特徴は、フロント、リヤセンター、トランクなど、部位ごとにバラバラの構成になっていること。こうして見ると平面のパーツが多い。センタートンネルの部分と、リヤホイールハウス部分だけが三次曲面になっている。このあたりをなんとか克服すればあとはそれほど複雑な形状ではない。と、言うは簡単だが、実際どれほどの難易度なのかは私は知らない・・。職人さん、全国のクラシック・レンジローバーのユーザーさんの未来のために、是非一肌脱いでください。

バラバラになったレンジローバーの内装ちなみに、こちらはカーペットを剥がして抜け殻のようになったレンジローバー。

1c33367f.jpgオートクラフトで制作中のクラシックレンジローバー、その塗装工程の様子である。
私が自動車業界に就い22年。その間、塗装あるいは板金という分野の仕事をしたことはただの一度もない。缶スプレーで小さなパーツの色を塗るのがせいぜい。お客さまにサービスとして提供できるだけの技術を身につけることはこの先もないかもしれない。プロとして美しい仕事をする自信がないと言ったほうが正しいかも。
690a330c.jpgしかし興味はある。こうしてスタッフの仕事ぶりを長時間見ていても全く飽きない。ガン見されていると彼らも仕事がしにくいかもしれないが、正直なところ「会社の目」で見ているわけではなく、ただのギャラリーなのである。(笑)
営業をカジる程度に経験し、短期間だが濃厚なメカニック時代も過ごした。それぞれを極められたとはとても言えないが、自動車業界の両輪分野の経験を活かしてレイブリックを運営してきたつもりだった。しかし、まだまだ枝分かれした様々な分野が数多くあることを改めて感じている。
レイブリックでしかできないこと、あるいはオートクラフトでしかできないこと、その全ての技術を集約しても完璧なフルレストアを内製化で行うことはできない。
今は不可能なことがたくさん、つまり残されている可能性もたくさん。まだこれからいろいろな経験ができそうだ。

CA3H0912オートクラフトでBESPOKEを進めているクラシック・レンジローバーは、いよいよボディーの塗装作業に取り掛かった。元色はアーデネス・グリーン。さて、どんな色に変身するかは今後のおたのしみ。まずはサフェーサーで下地処理。予定では来週あたり塗装ブースに入り、新たな塗装が吹き付けらる。自分のクルマのように楽しみだ。

CA3H0834お客さまのオーダーで製作中のクラシック・レンジローバーは、現在専門業者によってシートの張替えに使うレザーの材料の準備を進めてもらっている。サンプルで選んだ通りの色に合わせ、レザーを染色しているとのこと。こっちは材料の準備が整うまでに、2色の配色を決定しておくことが必要。輪郭だけで前後のシートのイラストが描かれている用紙を使い、ちょうど塗り絵のように具体的に色を塗り分けていく。時々、目をつぶって、頭の中で全体像を描いてみたり。こうして画像にしたサンプルを作り、お客さまにご提案して決定していく。
こんなことを何度も繰り返すうちに、このような資料がどんどんたまっていくのだが、それらはまとめてファイルにしておこう。これからオーダーしていただくお客さまにはファイルをお見せしながら製作の相談を進めることができる。


CA3H0827話は変わるが、こちらもレザーの話。友人から文庫本のカバーをいただいた。これまでは印刷された紙のカバーを裏返し、真っ白い面を表にして読んでいた。特に問題といえばそれまでだが、どことなく味気ない。やはり、「スタイル」は肝心だ。「本を読む」というスタイル。カッコいいにこしたことはない。ずっと欲しいと思っていたアイテムだったのでとても嬉しい。丈夫そうな革のカバーは、きっとこの先何年も使えるだろう。そして読んだ本の数だけ、使い込むごとに味が出ることだろう。それも楽しみ。


曲にしよう。今日はオートクラフトに出社した。品川のマンションに戻ってテレビを点けると、SONGSという番組でスピッツの特集をやっていた。
メジャーデビュー後のアルバム三枚はいずれもヒットしなかった。このまま音楽を続けるためには、意識して「世に受け入れられる」曲を作らないといけない。曲が売れることが、自分たちが音楽を続けられる条件だと。そこで、プロの音楽プロデューザーについてもらい新しいアルバムを作った。そしてヒットにつながったのだと。
好きなことを続けるための努力、そして新たな試みをする決断力と行動力、後の成功はそれらの集大成である。
今夜はスピッツの成功の証といえる1995年の名曲を、「ロビンソン」。

CA3H0797「人生の集大成となるクラシック・レンジローバーを作ろう!」。あるお客さまの熱意を受け、オートクラフトと二人三脚のプロジェクトが始まったのは先月末のこと。この数週間思案を続けていたのはボディーとインテリアのコーディネイト。始まってしまうと変更できない部分なので慎重になるあまり、ことのほか時間がかかってしまった。レザーの染色には時間がかかることもあり、色が決まったからといってすぐに張替え作業に掛かることはできない。つまり、作業がどんどん先送りになるわけで、とにかく色だけでも先に決めて材料の準備から取り掛かることにした。
シートのレザーは二色のコンビにする予定。その二色をどう配置するかは次の課題。とにかく今日は使う二色を決めることが最優先。合わせてボディー色も決定。いよいよ本格的に作業が開始できる準備が整った。既にボディーからエンジンやオートマチックトランスミッションは降ろされており、ボディーの製作と並行して機関部分のオーバーホールを進める。

このプロジェクトは今後の我々のクラシック・レンジローバーの製作活動にとても役立つ教材になりそうだ。

昨日、レイブリックのゴルフコンペを終えた後、夜に東京へ移動。今日と明日はオートクラフトに出社。

CA3H0728オートクラフトに居ると、やはりクラシック・レンジローバーに囲まれている雰囲気がある。納車準備中のクラシック・レンジローバーは、目下エンジンの整備中。オイル漏れ箇所をリフレシュしている最中にウォーターポンプのベアリングの僅かなガタ発見。特に機関部分に不安は残してはならない。発見したからにはもちろん迷わず交換。仕上げながら、更に煮詰めながら、繰り返しながら完成度を高めることが必要なクルマだ。

CA3H0628そして、別のお客さまからクラシック・レンジローバー製作の新たなオーダーが入った。こちらのお客さまは色替えの全塗装を希望。80年代までの標準色の中から私の独断で何種類かのカラーサンプルを作ってご提案をした。この中から、まず2色に絞り込んでいただいだ。今回はシートのレザーも好みの色に貼り替えるので、その色の組み合わせを思案しながら・・、しかしなかなか結論に向かわない。そこで奥さまにご意見をいただくことに。レザーもサンプルを使いながらカラーチョイス。コンビレザーにして、パイピングの色は・・、と選択肢が多いだけに迷うところ。しかし、女性ならではのファッションセンスでサクサクと進展した。なんだか、新築のマイホームの壁紙やカーテンの色を決めているみたい。
打ち合わせが夜になってからだったので、カラーサンプルも照明器具の灯かりでは若干イメージと異なる。結局、明日、自然光の元で改めて考えることに。実際にレザーの染色に入ったら後戻りができないだけに、ここは慎重にならざるを得ないところ。お客さまも私も早く先に進みたい気持ちとの葛藤だが、今この瞬間もとても楽しい。

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